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首都圏中学入試2012[22]

☆湘南白百合の出願が始まった。初日の段階で、昨年の最終出願に比較して、すでに94%であるから、最終的には、昨年よりは上回るのではないか。とはいえ、破格に増えるというわけではないから、変わらずといったところだろうが、帰国生がたくさん応募したことは以前紹介したから、フェリスや横浜雙葉、横浜共立、鎌倉女学院とは何かが違うという感覚が広まっている可能性がある。

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☆神奈川エリアの女子全体としては、応募はなかなか増えないが、だからといって個別に見ると集まっていないというわけではない。昨年と比べて割合が減っても、定員を十分に満たせる倍率があるわけだから、急に経営が苦しくなるというわけではない。

☆しかし、安心はできない。やはり何とかしなければならない。それには、微細な違いは何か考えなければならない。だいたいだれでもわかるようなところにヒントはない。むしろなかなか気づかないところに突破口はあるというのが世の常である。

☆神奈川エリアの女子校の場合、フェリス、横浜雙葉、横浜共立A、鎌倉女学院①の応募は締め切られている。前年比で、どれくらい減少しているかというと、

フェリス -4.1%

横浜雙葉 -11.2%

鎌倉女学院① -11.7%

横浜共立A -15.8%

☆男子の場合、まだ締め切ってはいないが、現状で

栄光 -1.0%

浅野 -5.7%

聖光① -23.9%

☆地理的な条件、東京の私立との力関係の影響があるのだろうが、量的競争から質的競争にシフトしている中学受験市場及び私学教育市場にあって、このような結果になるのはある意味必然である。

☆コア・コンピテンスのコンセプトを作ったことで有名なゲイリー・ハメルのリーダーの2つのカテゴリーに、そのことを考えるヒントがある。

There is a distinction, then, between a “titled” leader and a “natural” leader. A titled leader relies heavily on positional power to get things done; a natural leader is able to mobilize others without the whip of formal authority.

☆実際には、相互に排除しないカテゴリー概念ではあるが、日本の学校の場合、私立公立を問わず、“titled” leaderが多い。

☆学校の場合は、リーダーというと、校長、教頭だけをさすのではなく、教師すべてを指すわけである。生徒にとって保護者にとって教師はリーダーでなければ、預けられない。

☆しかし、そういう自覚のないケースも多いかもしれない。かりにあったとしてもa“titled” leaderとしてロールプレイしてしまう場合が多いだろう。

☆湘南白百合の校長から教師まで、どういう雰囲気かというと、 a“natural” leaderなのである。洗足学園、聖園女学院もそうである。男子校では栄光がそうである。まだ東京の応募はスタートしていないが、聖学院、八雲学園、かえつ有明などのグッドスクールもそうである。

☆このグッドスクールに存在するような教師の質といったとき、リーダーシップの質は学校説明会のときにわかる。特に父親や仕事をしている母親はわかる。もちろん、日本社会はまだまだ抑圧社会だから、a “natural” leaderだけではやっていけない。

☆しかし、もはやa“titled” leaderだけでもやっていけない。a“titled” leader と a “natural” leaderの使い分けが必要になる。しかし、教師や官僚は、“titled” leaderだけでやっていけるのである。また逆に教師に限ってはa “natural” leaderだけでやっていける。もちろん、それは、たとえばキリストに倣いて生きることであるから、厳しい道である。

☆それゆえ、父親や仕事をしている母親は、学校説明会における教師の一挙手一投足をみれば感じるのである。語り口調や言葉の選択でわかるのである。

☆私の場合は、強烈な出会い―― a “natural” leaderに出会って感動した経験とa“titled” leaderに理不尽な思いをさせられた両方の思い出を含めて――によって、その違いが了解できたのだが、それゆえa “natural” leaderの存在している学校が活躍してくれることを望むものであるが、今までなかなかそうはなってこなかった。しかし、3・11以降a “natural” leaderの価値が重視されてきたのだろうか。もしもそうならば、本当に中学入試は転機を迎えているといえるだろう。が、そうは世の中うまくいかないかぁ。。。。。。。

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