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首都圏中学入試2012[28]

☆「麻布の近況」に、2011年度第3学期始業式の様子が掲載されている。そこには、こうある。

  校長は、式辞で、「我々は生きている間は生きなければならない、そして与えられた人生を悔いなく生きるためにはどうすれば良いと思うか」という問いをなげかけました。
 またカントの超越論を紹介し、人は目に見えるものにとらわれがちだが、人が生きるためには目に見えない何かが必要なのである、その目に見えない何か「超越したもの」を求めて生きてほしい、というお話をしました。

☆実に麻布らしい。というのも、カントの超越論の話は、氷上校長のように読み取る以外に、超越したものは不可知なのだから、語っても意味がない。言語の限界が世界の限界だろう。

☆と、論理実証主義的な思考を働かせる方向性もある。

☆しかし、この論理実証主義的な思考は、今回の3・11以降の体験によって、立ち位置がゆらぐのではないか。

☆この体験によって、私たちが直面している世界的規模の窮地に陥った社会は、もはや目に見える世界だけで解決できないことを深く実感したのではないか。私たち自身の存在に革新的な変化を起こす努力を「共に生きなければ」ならないという意志が明らかになったのではないか。

☆その意志を、麻布学園は高らかに謳ったのではあるまいか。

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