首都圏中学入試2012[38]
☆今年の中学入試が転機であることは確かであるが、具体的にはどういうことか。21世紀型教育を実践し、英語力という名の大学入試英語の力ではなく、きちんと第二外国語学習方法をベースにした英語教育に力を入れている教育を実践している学校が注目を浴びるということである。
☆もちろん、まだその動きは爆発的ではない。しかし、大事なことは20世紀型教育を行っている私立学校も公立中高一貫校も爆発的ではないのである。中学入試市場が低迷しているときこそイノベーションというのは、市場の基本セオリーだろうから、質の競争に移行する転機だというわけである。
☆具体的イメージをもつには、元日から日経が取り組んでいるC世代の特集記事がおもしろい。世代の分け方を、私も団塊とか新人類とか通説に従ってきたが、21世紀型を考えていくのに、たしかにこのような20世紀型スコープでみていては意味がない。
☆C世代とは日経によると、
「ジェネレーションC(C世代)」はここ数年、米国で使われ始めた言葉だ。年齢は限定しないが基本的に若者。CはComputer(パソコン)、Connected(接続)、Community(共同体)、Change(変化)、Create(創造)などを意味する。
☆年齢は限定しないのだから、若者でなくてもよいのである。ここは重要。また、
人によってはContent(コンテンツ)、Communication(コミュニケーション)、Collaboration(協力)、Contribute(貢献)、Casual(四角ばらない)の意味を込めて使う。並べてみると、語呂合わせを超え1つのイメージが浮かび上がる。
☆複雑系、多様性、柔軟性、曖昧性という特徴も21世紀型に適合する。そして、
インターネットと携帯情報端末の普及で若者は再びつながり、街に出始めた。それがX世代より一回り以上若いC世代だ。オープンでフラットな関係を好み、コンテンツを発信し、情報を共有し、政治や企業に透明性を求める。こうした属性は世界共通だが、表れ方は変わる。例えば途上国なら独裁の打倒。新興国では旧秩序に挑む起業だ。先進国のカギは「貢献」、次の世界を拓(ひら)くための模索ではないか。環境、格差、高齢化、民主主義の機能不全、コミュニティーの衰退。もう外国から丸ごと輸入できる正解はない。
☆なんといっても限界を突破する感じがする。チャレンジャブルな世代。ゆとり世代など言っていること自体20世紀型枠組みに埋め込まれているかもしれない。
☆C世代の可能性を寛容に受け入れられる学校を探そう。キーワードを繰り返そう。
Computer(パソコン)
Connected(接続)
Community(共同体)
Change(変化)
Create(創造)
Content(コンテンツ)
Communication(コミュニケーション)
Collaboration(協力)
Contribute(貢献)
Casual(四角ばらない)
オープン
フラット
発信
情報共有
政治や企業に透明性要求
独裁の打倒
旧秩序に挑む起業
次の世界を拓(ひら)く
☆このようなキーワード満載の学校は確かに生徒が集まりはじめているかもしれない。
P.S.
このシリーズの中で、慶応の武山教授(46歳で、C世代!)はC世代にこう望む。
「フェースブックにしろツイッターにしろ、語ることは今起きていることだ。未来を語る場がないと思いこのようなプラットホームを作った。今は新しい社会像を考える時で、若い世代のポジティブな発想を引き出さないといけない。よく政治家が理想を語れないと言うが、市民もどれだけ理想を語っているのか。市民もしっかり語り出せば、政治も刺激を受けて変わっていくのではないか」
政治家のようなリーダーだけではなく、市民が理想を語れる教育あるいは市民もリーダーになれる教育が大事だということだろう。
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