首都圏中学入試2012[53]
☆集まっている学校は、集まっているところはきっちり集まっているし、そうでないところは集まっていないという例年の傾向ではないかと思っているようだし、そうでない学校は、本当に厳しい、もっと減少率は激しいのではないかという思いもあるようだ。
☆その感覚はどちらもあっているし、そうでないともいえる。というのも、かりに首都圏の中学受験人口が5万人いたとしよう。すると、それだけで十分に定員を確保できるはずなのだが、実際にはそうはいっていない。そもそもここ数年厳しいのだが、そこはさておき、かりに1%減ったとしよう。500人の減少である。
☆たいしたことないとみるか、たいしたことあるとみるかは、主観の問題かもしれないが、いずれにしても500人減るということは、私立中高一貫校の2校から4校分(定員によるので)の一学年の生徒が消えるという話なのである。
☆しかも、複数回数の試験で、何度受けても受験料は1回分でよいというのが定着してきているから、一人の受験生が同時に複数校に願書を出している。その数字が反映しているのが上記の表である。さらに言えば、反映していて上記の結果であるから、昨年に比べ横ばいであるとは考えにくい。かりに横ばいだったとしても、昨年がすでに減少しているから、低迷していることに変わりはない。
☆今年のダボス会議は29日に閉幕した。「新しい資本主義のモデルを!」ということだったが、EUの経済危機をどうするかに終始し、政財界、学者の活発で多様な議論の中から新しいモデルが生まれることはなかったようである。“This Year, Davos Doesn't Deliver”ということのようだ。
☆転機の中学入試を期待していたが、今もその期待は変わらないが、今回はかすむ転機であるようだ。その象徴が東京の男子校の生徒募集の動向である。大学進学実績重点私立中高一貫校に集まった。
☆学歴エリートという時代遅れの官僚日本資本主義を支える傾向は変わらない。世界経済フォーラム創始者のシュワブ会長が、金融危機が繰り返され、失業や貧富格差が解消しないのは、「時代遅れの資本主義」が背景にあると指摘し、雇用や食料、気候変動など幅広い問題に対処する「新たなモデル」構築を呼び掛けても、それは目の前の経済危機にかすんでしまった。
☆グローバル人材育成は就活を変え、新たな就活は大学入試を変え、新たな大学入試は高校入試を変え、新たな高校入試は中学入試を変える。もちろん、政治経済ベースの話だから、この分野では受験産業の話である。
☆内閣府や文科省が、悪循環から好循環へというビジョンを打ち出しているが、負の鉄鎖のなんと強固なこと。
☆しかし、受験市場と私学市場は違うのである。その差異に期待をかけよう。私学市場自体は、独自に新しい社会を模索することを諦めないと。その望みを求めて、がんばれ中学受験生!明日から東京・神奈川エリアの中学入試が始まる。
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