大学入試から見る中高一貫校[12]
☆今回の大学入試の転機の兆しはどのへんにあるのか?志願者数で明治大学が早稲田大学を追い抜き続けているということだろうか。それとも多くの難関私立大学が、志願者を減らしているということだろうか。その原因が文系の人気低迷であり、理系は人気が上昇しているということだろうか。秋入学的な話題が巻き起こったということか。
☆いずれにしても、楽天やユニクロなどが、こだわっている「国際化、国際化、そして国際化」というメガトレンドに、「教育、教育、そして教育」という流れが乗れていないことは確かだろう。
☆そしてこのGAPを埋めようとする動きが大学入試における転機ということではないか。だから、理系なのだ。国際化、国際化、そして国際化を動かしているのは、第2のIT革命である。なぜ英語が必要かというのは、理系という普遍的ルールで運営する学びの組織が活況を帯びているからである。
☆楽天などはまさにこの英語の社内公用語(本当は外国人に日本語を学ぶようにすすめているから、多言語主義ということなのだろうが)化が、業績を上げている。
☆同時に第2のIT革命は、第2のITバブルも予感させる。グーグルが業績を上げているのに、株価が急落なんてニュースは、ヒヤっとさせる。
☆まあしかし、この流れは止まらないだろう。どこの大学が、英語を国際化の武器にするのではなく、第2のIT革命を導入することによって、必要性にかられて英語を学ぶという国際化、国際化、そして国際化を図るのだろう。
☆読売新聞(2012年2月10日)によると、東京都教育委員会は今後10年間の都立高校改革推進計画を決定。
国際化に対応するため、外国人クラスを2014年度に一部の都立高校に設け、将来的には海外の大学入学資格「国際バカロレア資格(IB)」が取得できるようにする。公立高校で同資格を取得できる学校は現在ない。都は、国の指定を受けた国際戦略総合特区で外資系企業の誘致を図るが、外国人子弟が英語で学べる高校が少ないため、海外の大学入学資格が得られる外国人クラスを都立高校に設ける。海外の大学に進学希望の日本人生徒も受け入れる。
☆秋入学と同じような発想でわるくないが、公立中高一貫校以上に公平性を欠く教育行政である。このジレンマを乗り越えるためにSNSを導入するとよいのに。どうやってか?楽天に学ぶとよいのである。別にIBを使わなくても広く海外大学への道はあるのに・・・。
☆三木谷さんいわく、
公用語化の正式移行に向けて、現場はものすごいですよ。朝の7時に社内のカフェテリアに顔を出すとみんなチームを組んで勉強していますから。僕はこれが成功したら、私の日本に対する最大のコントリビューション(貢献)じゃないかと思うんですけどね。これができたら、日本人の考え方、感覚も変わるでしょう。そういう影響を与えられればと思っています。( 「英語化が成功したら日本に対する最大の貢献だと思う」三木谷浩史・楽天会長兼社長に聞く(その3)日経ビジネスONLINE2012年2月22日から)
☆そして、社内SNSでは英語でメッセージやコメントのやりとりをしている。要するに「現場」を「学校」に置き換えればよいだけだと思うが。そんなんでは、日本人の心はどうなる、文化はどうなる、日本語はどうなる?と問われそうである。日本人全員が茶道やっているわけではないけれど、その道の心はわかる。それを残すのは文化遺産としてシステム化するしかない。つまり歴史を学ぶ環境をきちんとつくることが重要である。それと英語で教育されざるを得ない状況とは、また別問題であろう。
☆もっとも、そうなると日本語しかできない筆者は困るのではあるが・・・。
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