大学入試から見る中高一貫校[13]
☆決して進路先指導はしない。あくまで、それぞれの道を見つけるサポートを全力でするのが、同学園の教育の質の高さなのである。この道の発見は、しかし、なかなか険しい。というのは、自分の内なる弦と響きあうものの見方を発見することだからである。
☆たんじゅんにものごとを記憶し、整理することをトレーニングするだけでは、いつまでたっても外発的で、内発的なマインドは育たない。だから、八雲学園は全員でサンタバーバラに未知なる体験をしにいくし、一丸となってイベントを自分たちの手で運営する。自分の好きなものだけではなく、先人たちの創り上げた芸術にも触れるチャンスも頻繁にあるのだ。
☆その過程の中で、当然さまざまな葛藤や壁に直面する。そのときチューターと夜を徹して語り合い、友達と協力し合う。そこで直面した壁が生み出す問題意識の中で、一生かけて取り組みたい課題が見つかるのである。道とは己が解いては再び現れる課題解決の軌跡である。解決するたびに成長する道なのである。
☆だから、八雲学園は考える機会を大切にしているともいえる。入試問題は学校の顔である。すでにそこに教育の遺伝子がある。今年の次のような算数の問題。力づくで解くか、工夫して解くか、さてどうするだろうか。
☆いわゆる一行題であるから、時間をかけられない。工夫するしかない。トポロジー的変形変容の発想があれば、なんと一個の円と正方形に斜線部分が集約される。受験生は3.14の計算を暗記しているから、変形してそうなることに気づけばあとは暗算である。
☆横山先生によると、「この問題は受験生の約70%は解けました。工夫するという思考力が大切ですね」と。このようなかわいらしい問題にも手を抜かずに考える必然性をしかけているのである。
☆また、「国語も記述の問題も出題していますし、理科と社会科の先生が協力し合って、クロスオーバーな問題も出題しています」と語られた。書く行為、教科横断的な視点などは、まさに思考力問題である。
☆考えることを楽しめる八雲生のカリキュラムは、入試のそのときから始まっているのである。
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