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大学入試から見る中高一貫校[14]

東京女子学園の教頭辰巳先生から、大学合格実績の途中経過のお知らせをいただいた。

今年の東京女子学園の大学への合格実績は驚異的です。2月23日現在までの実績で、東京海洋大学1、早稲田1、上智2、東京理科大6、と次々に合格し、MARCHレベルはもちろん連覇。青山学院7、明治3、中央、立教、学習院各1、法政7。女子大にいたっては、日本女子大14名、東京女子大10名、学習院女子大3名、と難関女子大に約30名合格となります。母数は121名です。

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☆来週からの本格的な合格発表でさらに実績が増えるだろう。昨年に引き続き合格実績が向上している理由はなんだろう。辰巳先生は、キャリア教育の成果であるとこう語る。

(東京女子学園のキャリア教育は)自分がどんな将来を送りたいか、一生をかけて何をしたいのか。自分はどんなことで社会に貢献できるのか、自分の一生を考えて、取り組んでいくプログラムです。

☆そのプログラムの一つに、卒業生講演会があるが、次のような先輩たちの話は、進路の見通しを明るくしてくれる。

現実味をおびてくると、取り組み方もちがいます。難関大学に入学して、良い環境の中で学び、実力をつけること。将来への可能性を広げること。そして、研究テーマを決め、論文を書き、社会で必要な能力を身に付けて、就職試験へと向かうのです。

☆このプログラムの驚愕すべき点は、この卒業生講演会は、卒業生が大学3年の時期に、卒業生のために同学園でもう1度セミナーを開き、就職試験に受かることが人生の目的ではない、何をするかが問題なのだということを確認することが目的だという点である。

☆つまり、在校生の大学進学活動と卒業生の就職活動の目的を互いに確認し合うという同窓力が発揮されているのである。面倒見がよい教育とはこういうことかと驚嘆。

☆さて、大学を卒業したOGの話を聴くと、在校生にはある構えが生まれてくるという。辰巳先生によると、

外資系の会社で世界を視野に働いている卒業生、電通で広告という仕事をとおして、世の中を動かしているCMを作成している先輩、旅行会社、オペラ歌手、幼児教育、福祉施設、社長秘書、医者、看護師、いろいろな職業の先輩たちが本当の実際の仕事の話をしてくれました。もう、夢は見るものではなく、叶えるものなのです。生徒は必至に勉強を始めました。勉強すれば、大学に受かることもわかりました。大学で何をしたいのかも、心に描けました。夢をかなえる最初の階段は、難関大学への合格です。これが最終目標ではないのです。だから、ここでくじけてはいけないのです。

☆「夢は見るものではなく、叶えるもの」であり、その第一の関門が大学受験であるが、夢を叶えるまでには、いくつもの関門があるのだと。

☆しかし、東京女子学園の先生方は、在学時代の第一関門だけではなく、このキャリア教育のように、卒業後も一丸となって応援するのである。一生の信頼関係というつながりを作れる女子校である。

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