首都圏中学入試2012[76]
☆1回しか受験がない学校には、応募者総数に係数1をかけた。浅野が3日入試で、係数が1のままでよいかどうかは大いに疑問が残るが、受験回数に着目したので、そのようにした。
☆2回受験を設定しているところは、0.5を、3回以上設定しているところは、1/3をかけた。聖光の帰国生はかなり人数が多いので、本来は1/3を係数にしたほうがよいのかもしれないが、帰国生の試験は、係数設定に考慮していないので、2回受験設定に合わせた。
☆こうして考えると、応募者総数でみても、やはりブレがある感じがする。つまり、浅野や聖光は、経営戦略上このランキングにあり、教育の質では、栄光が盤石ということになるのではないか。
☆では、実質倍率でみればよいということになるが、それでは今の時期や受験生が倍率をみながら併願校の最終決定を行うときには役に立たない。あくまで応募者という現象でどう読むかが大事であるし、この動向こそが、受験市場の雰囲気を形成するのである。
☆さて、これに別の視点である「重点教育」を付加してみた。大学進学に力を入れているかどうかは。その成果をみればわかるが、問題は「思春期学」である。そのような学問は今のところない。というのもそもそも中高一貫校に通う生徒は10%に過ぎないし、公立中高一貫校がスタートしてまだ10年ちょっとであるから、教育学部では真面目に取り組んでいない。
☆しかし、私立中高一貫校の場合、ネガティブな表現であったが、中高連続期間の「中だるみ」をどのように軌道修正するかは重大な問題だった。
☆ただし、それは多様な行事や部活という環境設定によって解決するというタスクベースで、プログラム形成や理論化までに到る学校は少なかった。
☆その「中だるみ」を意識し、メタ認知的にプログラム化やロゴス化しようとしている学校は「思春期学」を形成しているとみなそうと思う。そのもっとも最先端は、鴎友学園女子や共立女子であるが、神奈川の男子校で、なんとか自覚しようとしているのが、藤嶺藤沢であり聖光であり、すでにメタ認知の段階に到達しているのが栄光である。
☆慶応普通部のように、高校がなかったり、高校入試も行っている学校は、思春期学を実践できない環境にある。
☆ここでは、桐光を入れていないが、別学であるということは、本来「思春期学」を意識できる条件がそろっているが、それについては共学校のところで考えてみよう。
☆ともあれ、係数調整した総応募者数という量的視点と思春期学という質的視点の両方からみて、もちろん限定的条件であるから、他の見方もできるが、この条件から見て期待できる神奈川の男子校というのは、栄光、聖光、藤嶺藤沢がアドバンテージが高いということになる。
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