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学習する中高大組織を探そう

ピーター・M・センゲの「学習する組織」の改訂版の翻訳が昨年出版されているが、改訂版への序文で、重要なことが記載されている。上意下達の一方通行型の組織が柔軟でないことは知られている。今や学びの組織だと言われて久しいわけだが、まだまだである。

☆自分の息子や娘の学びの環境はどうなっているのか、学びの組織なのか、見分けるには、どうしたらよいだろう。大雑把ではあるが、つぎのような視点が書かれているのである。

☆チームの中核的学びの能力があればよいと語られている。その能力は大きく分けて3つの能力、さらに細かく5つの能力のカテゴリーで整理されている。

1)ASPIRATION

・Personal Mastery

・Shared Vision

2)REFLECTIVE CONVESATION

・Mental Models

・ Dialogue

3)Understanding Complexity

・Systems Thinking

☆最後の複雑性の理解のところだけが、詳細項目が1つになっているのは、なぜか。6では安定しないからだろうか。詳細は本書を読んでいただければよいのであるが、だいたいの予想はつくはずである。

☆それでも、1)の志の育成と3)の複雑性はピンとくるが、2)の内省的会話の部分は難しそうである。逆に言えば、ここは日本の組織の弱点である。

☆試行錯誤で、物質循環のみならず、精神的な循環もモデルとして設定し、試行錯誤で調整していく。その調整がまた対話でもあるというのは、日常的な文化ではない。

☆精神的モデルではなく、スローガンは大いに語るが、その信頼性、正当性、妥当性については不問のままが通常である。だから、そこが権威になり権力になり、恐れ多くも・・・になり、対話が停止するのである。

☆そもそも会話はそんな深い内省的な思考力を要するものかというのが一般だろう。しかし、この内省的モデルがないところでは、対話の足掛かりが見つからない。対話がなければオープンマインドは養われない、オープンマインドがないところに常に負のエネルギーがたまるのである。そんな組織はたまったものではない。そんな組織の中高大は、要注意だ。

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