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東大合格発表の季節2012 [08]

☆筑駒は拡充型才能教育を実施しているという。これは私立学校の先取り的教育と暗に違うということを語っているのだろうか?

☆たしかに、先取り教育を実施、先に進んで差し引いて余った時間で、ひたすらトレーニングをして、大学受験対策を行っている私立もある。しかし、開成や麻布などのように、むしろ拡充型才能教育を行っているがゆえに、必然的に促進型才能教育になっているという学校もある。

☆筑駒も本来はそうなのであるが、学習指導要領という制限があるから、先に進んでも、指導要領の枠組みを超えることはできないから、同じことを繰り返しても、筑駒の生徒のレベルでは飽きてしまう。そこで、ゆっくりと拡充型でということなのだろうが、それは自然ではない。豊かになれば密度が濃くなるから、加速するのを抑えることはできないはずだ。

☆そこから先は、生徒の自主性に任せようという解決の仕方をしているのだろう。しかし、その変曲点で、パラダイムそのものを変える探求に進めば、促進型才能教育もわるくない。

☆それはともかく、この拡充型才能教育を自治体が後押しをしてつくった高校で大成功したところが出現。それは横浜サイエンス高校。一期生からすでに東大も3人合格している。

☆第二のIT革命のテクノロジーを使い、新しい学びの組織を構築。学びの組織は、基本的に拡充型で促進型の両方を統合できる。中高一貫校ではないから、3年間ではちょうど促進の状況がでてきたところで、卒業ということになるから、拡充型才能教育だけ行っているようにみえるだけだが。

☆しかし、いずれにしても、堀川高校にもみられるように、拡充型才能教育という学びの組織を形成して教育をしていく21世紀型教育が一定水準以上の成果をあげるのは明らかである。もちろん、従来型の受験指導ベースの教育で、大学は合格するだろう。

☆大学入試自体がそれほど変わっていないのだから、当然だ。しかし、どちらも大学合格実績の成果をあげられるのなら、創造的才能を養える教育が良いに決まっているではないか。

☆≪官学の系譜≫であれ、≪私学の系譜≫であれ、まずは学びの組織という点では、領域ⅠかⅡにシフトしていく兆しがでてきたとも考えることもできる。

☆あとは、村落共同体としての学校化社会から民主的な学校化社会にいかにしてシフトするかである。この表現は、ガラパゴス社会からグラーバル社会へシフトすることはいかにして可能かという言い方に置き換えることができるのだが。

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