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筑駒の創造性の生成

☆筑駒と言えば、創造!挑戦!貢献!である。これらの総合的な活動として、世田谷区とコラボしながら地域に科学・学問コミュニケーションを提供。その活動を「筑駒アカデメイア」と称していて、筑駒のOB・在校生・教師などの人材バンクを中心に講演・公開講座などを企画しているようだ。

☆しかしながら、このような人材がどのように育てられているのか、特に「創造性」はいかにして生成されているのだろうか。

☆それは当たり前であるが、授業によってである。一般に授業というと、知識の伝授で終わるか、筑駒のようなハイレベルの学校だと、知識の活用ぐらいは教えているだろうとイメージするかもしれない。しかし、創造性とは程遠いのではないかとも。

☆たしかに、中高段階で、創造性を育成するのは、高校からであると学校教育法15条第2項には明記されているから、義務教育段階の授業で創造性育成のシーンを思い浮かべるのは難しい。それに、高校からは大学入試や就活にまっしぐらとなるから、とても創造性を授業で育んでいる余裕は、学校当局もないのが現実。

☆ところが、在校生などの話を聴けば、感じることであるが、創造的で柔軟な地頭をもっているということがわかる。3月21日、東大福武ホールで開催された「新しい学びフェスタ」に参加していた筑駒の生徒のポスターセッションを聞いていると、「メタ認知」などという言葉が飛び出てくる。

☆なるほど、そりゃ創造性豊かになるはずである。彼らは中学時代に筑駒の国語の授業のプログラムである「ライティングワークショップ」についてプレゼンしていた。

☆このワークショップがいかに一般的な作文授業と違うか、チームによる相互批判や振り返りの時間がフリーズした客観化した一般的な知を破壊し、一方で暴発した主観的な感情をマネジメントできるのかについて、クールに語っていた。

☆このワークショップの個とチーム、生徒と教師の議論が、自らを振りかえり、モニターして知のパノラマというスリリングな創造性、つまり「メタ認知」能力を生成するのであるというのである。

☆彼らの編集した資料には、アイデアの出し方というスキル集が埋め込まれていた。まずアイデアの定義だが、「既知のものの、新しい組み合わせ」であると。したがって、アイデアを増やしたり生み出すには、

①「既知のもの」を増やす。

②「新しい組み合わせ方」を色々と考える。

☆のだそうである。世の中、創造力より、事実が大事なんだ、知識が大切なんだとか、知識の活用が大切なんだという。あるいはその逆に知識よりも考えることが大切なんだとかいう。いったいなぜ?どちらも見失っているのである。それを筑駒の生徒はあっさり、アイデアを出すためと回答してしまえるのである。まったくおもしろい話である。

☆さて、筑駒生のさまざまなアイデアの出し方リストを紹介しよう。

・本を読む

・他の人とおしゃべり

・自分の読書履歴を振り返る

・地図を描く

・家系図を描く、人物関係の図を作る

・二つの異質な単語を結びつける(名詞+名詞、名詞+動詞・・・・・・)

・マインドマップ

・読んだ本について質問する、反論する

・好きな小説の設定を借りる(物語のパターン、人物の性格)

・既存の一行目から書き始める

・常日頃からぼんやりと考える(それをノートにメモする)

・相手に質問して人のアイデアを引き出す

☆そして、これらが、このプログラムの随所に埋め込められている。アイデア生成プログラムなのである。これが創造性の発露の一契機なのだろう。

☆さりげなく書かれているけれど、最終的には対話によってイデーが生まれるというループ状にならんでいる。なるほどね。「アカデメイア」というわけだ。プラトンの作品はほとんどが対話編であるというわけかァ~♪

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