変わる私立中高一貫校 聖学院で
☆4月22日(日)、聖学院で「統一合判(首都圏模試)」が行われた。そして、講堂では、教育講演会が同時開催。基調講演とパネルディスカッションの2部構成。基調講演では、聖学院の戸邉治朗校長が「グローバリゼーションと教育」について語り、それを踏まえて、パネルディスカッション(聖学院・女子聖学院・富士見丘・洗足学園)では、「私立学校の挑戦」というテーマで議論がなされた。全部で3時間行われたが、保護者は変わる私立中高一貫校の教育の情報に、真剣に耳を傾けていた。
☆グローバリゼーションという言葉は、日本では流行語のようなもので、内実が詰まっていない。しかし、実際に長年(この3月まで従事し、この4月に聖学院校長に就任された)、タイで多民族の困窮をサポートする活動に従事してきた戸邉校長は、グローバリゼーションの波が何を生み出そうとしているのか、その実態を語り、そしてそれに対応する教育が準備されている私立中高一貫校を選ばねばならないと静かに熱く語った。
☆時代はすでに東アジアの時代に突入し、3・11で証明された頼りにならない政府よりも、民間の企業が直接現地の人々とどれだけ深く広い関係を結んでいるか、ちょうどミャンマーなどの動きがニュースになっている時期でもあり、現地で活動していなければ知りえない情報や体験を交え話された。
☆それを受けて、パネルディスカッションでは、4校の先生方は、これからはグローバリゼーション、リベラルアーツ、イノベーションの教育をやっていかねばならないし、すでに実践している例を大いに語った。
☆そのために、偏差値に固執した20世紀型教育、つまり学んだ力だけを重視する知識偏重型教育から、学ぶ力や学ぼうとする力、共に生きる力を育成する21世紀型教育を実践していると。21世紀型教育は、脱偏差値教育であり、迫りくる本格的なグローバリゼーション(国内の新聞をニュースソースとしているような表面的なグローバリゼーションではなく)で、本物のリーダーシップを発揮できる人材を養っていると語られた。
☆ここには、戸邉校長のいう、国家や企業ではなく、個人がそれらの矛盾を解決できる大きな能力を発揮する時代がやってきているという時代認識がシェアされている。
☆一週間前の共立講堂の講演で、渡辺校長が、このような私立中高一貫校の新しい潮流として、≪21会校≫の活動を紹介をされていた。
☆21会校メンバーは、聖学院、広尾学園、かえつ有明、富士見丘、洗足学園と21世紀型教育を探求している教育産業と独立系シンクタンクで構成されていることも紹介。いずれの私立中高一貫校も大学合格実績が伸びているが、学びや学問をグローバルな視野で見据えた結果、生徒が選択した結果であり、その大学に向けての受験勉強という20世紀型教育を行っているわけではない。
☆したがって、国内合格大学だけではなく、海外大学の進路を選択している卒業生も輩出している(準備をしている)私立中高一貫校ばかりである。
☆これが意味することは、偏差値ベースの大学入試の枠組み、学びの枠組み、中学入試の枠組みの転換の兆しがはっきりとみえてきたということではあるまいか。
| 固定リンク
「Innovative School」カテゴリの記事
- 大阪工業大学 理系高大連携 理系離れを防ぐための向こうに新地平(2013.12.27)
- 変わる私立中高一貫校 新しい評価を探る(2012.05.13)
- 麻布学園の文化祭(2012.05.01)
- 変わる私立中高一貫校 21会 in 富士見丘③(2012.04.30)
- 変わる私立中高一貫校 21会 in 富士見丘②(2012.04.30)
最近のコメント