桐光学園のリベラルアーツ
☆それはなぜか?政策的なことは私のような一庶民にわかるはずがない。何せ情報公開が危うい官僚社会なのだから。しかし、時代を読むことはできる。どうやって?それは、新聞、テレビ、ネットなどのメディアを見ればよいのだが、実はそれではあまりに抽象的でマクロ的だし、逆に極端に要素還元的だから、あふれるほど時間がない限り難しい。
☆しかし、ここに最高の時代を読むデータベースがある。それは、毎年、桐光学園が発刊している「13歳からの大学授業」というシリーズの書籍。もう5冊目。これを読み進むと、時代の変化を感じることができる。
☆そう確信したのは、上記写真の新刊を目にしたときである。まだじっくり読んでいないのだが、一気呵成に斜め読みしてしまった。従来のものも味わい深かったのだが、今回の学者の論考は、どれも専門領域をはみ出している。
☆3・11以降のなんらかの転換や変化を意識して語られているというのもあるかもしれないが、痛快丸かじりのものばかりである。
☆高山宏さんの語りは実におもしろい。江戸川乱歩の「パノラマ島綺譚」がパノプティコンやオリンピック、プラン、フランス革命、そしてツリータワーにリンクスする。その知のハイパーテキストぶりに目が覚めざるをえない。
☆杉田敦さんや根上生也さんのアートと数学のリンクスも涙なくては読むことはできない。遠藤秀紀さんの遺体科学者が語る未来の希望は、目からウロコが何枚も!
☆宮島達男さんの「メガデス」の気の遠くなるような人間のDNAのもろさと強さの時の広がり。時は流れではなく、広がり?なんと!カントの終わりが20世紀の終わりだったのかと驚愕。
☆つまり、カントの終わりが新しいリベラルアーツだったんですね。あるいはカントからルソーの解放が、21世紀だともいえるかもしれません。そんなことを瞬間よぎらせる本書。毎月のように桐光の生徒は、考える時間の広がりを体験。
☆とにもかくにも、本書を読めば、リベラルアーツとは何か実感できる。
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