かえつ有明 今春卒業生が中学3年だったころ
☆昨日も国際フォーラムで、ベネッセコーポレーション主催の私立中高の合同説明会があったようだが、やはりかえつ有明は昨年と比べものにならないほど参加者が集まったらしい。
☆その理由については、本ブログでも「かえつ有明 新局面を迎える」 で述べている。つまり、「大学合格実績増と21世紀型教育の促進と拡充は、生徒獲得に大きな影響を与えている」ということであり、その21世紀型教育として、新ビジョンは「共学でも授業は別学」であり、そのための前提として新生かえつ有明が丁寧に創出してきた「サイエンス科的思考力」があるのである。
☆しかし、なんといっても、卒業生の生の声が聴きたいと思っていたところ、そういえばある雑誌の企画で、今春の卒業生が中学3年のときに、取材をさせてもらった生徒がいたのを思い出した。
☆そのときの原稿をみると、「かえつ有明は、生徒1人ひとりが成長を実感できる共学校である」と表現していた。まさにその通りになったわけだ。そして、その仕掛けの一つに「共学であっても別学の部分がある」というのがその当時の卒業生の学級運営だったのである。
☆なるほど、それをもっと進化させたのが今回の新ビジョンなのであり、新生かえつ有明の6年間の試行錯誤に基づいていることが改めてわかった。
☆その雑誌の取材に応じてくれた当時中3だった男子生徒は、今春どうなったかというと慶応大学に進学したということだ。当時彼はこんな話をしていた。
「初めは、先生は1人ひとりめんどうをみてくれますが、今では生徒を信じて、話し合いで解決している姿を見ています」
☆生徒どうし、生徒と教師が話すことが当たり前で、その関係は、自分の意志や考えを素直に表現しあえることがベースなのだという。
「ジャイアンとスネオの関係は、うちの学校にはないのだ」
☆とも表現してくれていた。話し合うとういうのは、実は学びの最高の仕掛けである。嘉悦校長と石川副校長が、「対話型の仕掛けつまりエコな思考力を、授業に面談に芸術にパーフェクトに埋め込みたい」と語っていたことは、すでにかえつ有明の暗黙知として醸成されてきたことだったのである。
☆そういえば、嘉悦校長はフランス語が堪能である。エコな思考力という発想は、自然と社会と精神をリンクする「カオスモーズ」というフランスの思想家フェリックス・ガタリの思想圏にあるのだろう。また石川副校長の推進する「サイエンス科的思考力」もそうだ。また「共学でも授業は別学」という離れ業も同じこと。なるほど「怒るな働け」という建学の精神の響きはこのカオスモーズだったのである。
※「カオスモーズ=カオス(混沌)×コスモス(世界)×オスモーズ(浸透)」
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