« 聖学院 進路指導の促進と21世紀型授業の充実 | トップページ | かえつ有明 新局面を迎える »

G8 キャンプデービット宣言 教育の重要性

G8終了し、キャンプデービット宣言が採。メディアは、成長か緊縮かの対立の解消に注目しているが、両方の統合の道をとったというのは、当面打つ手がないということだから、経済的にはキツイ。

☆しかし、これは実は、ドイツの動きを封じるためであり、経済の回復・安定・持続可能性をすぐにも実行しようというものではなかったのだろう。

☆そもそも、持続可能な成長、安定、財政再建の一体化がすぐに進むわけはない。経済指標的には、金融市場のテクニカルな一喜一憂心理コントロールの一環である。だから、メディアは大騒ぎする。それはそれでよいのだが、実際にはファンダメンタルなシステムをどう変えるかという話が中心なのである。

☆ファンダメンタルな部分は、即効力がないから、メディアには対処療法的な話題を提供しておくという戦術なのだろう。そこはある意味お祭りの演出ということか。

☆しかし、キャンプデービット宣言を眺めてみると、パラダイムを変える時代の動きにアンテナを張って、できるだけなんとかしようという意図は見え隠れする。

☆もちろん、G8そのものが世界の中で最富裕の国家のグループというのは明快に表現されているのだから、純粋な社会改革的なトーンではない。しかし、今回はNATOとセットになっているから、アフガニスタンを巡る戦争状態や核開発の問題なのについてどのようなシナリオで終結するかという話題がベースになっている。

☆この問題はG8に代表される富裕国に大きな原因や責任があるのは明らかだから、それを解消することは、G8の国々も改革しなければならないということは、言うまでもない。それは実際には時間がかかるだろう。そこまで織り込み済みで、メディアのパフォーマンスがプロデュースされているということ。

☆そんなわけで、キャンプデービット宣言文を見てみると、次の2項目がある。

7. To raise productivity and growth potential in our economies, we support structural reforms, and investments in education and in modern infrastructure, as appropriate. Investment initiatives can be financed using a range of mechanisms, including leveraging the private sector.  Sound financial measures, to which we are committed, should build stronger systems over time while not choking off near-term credit growth.  We commit to promote investment to underpin demand, including support for small businesses and public-private partnerships.

8. Robust international trade, investment and market integration are key drivers of strong sustainable and balanced growth.  We underscore the importance of open markets and a fair, strong, rules-based trading system. We will honor our commitment to refrain from protectionist measures, protect investments and pursue bilateral, plurilateral, and multilateral efforts, consistent with and supportive of the WTO framework, to reduce barriers to trade and investment and maintain open markets.  We call on the broader international community to do likewise.  Recognizing that unnecessary differences and overly burdensome regulatory standards serve as significant barriers to trade, we support efforts towards regulatory coherence and better alignment of standards to further promote trade and growth.

☆教育の改革が挙げられている。もちろん、どの段階やレベルでの教育なのかは明らかではない。雇用対策の一環としての教育なのだろうが、アメリカのキャリア教育やイギリスのキャリアガイダンスにつながると、かなり幅広い範囲になる。

☆それから国際市場の強化という話がでているが、日米に関してはこれはTPPの話でもある。このTPPには、明快に中等教育、大学教育もターゲットになっている。

☆教育をどのように変えるかは、その内容は明快ではないが、投資を強化したいと。すると財政出動だろうか、いやサミットでは民間による持続可能な投資についても議論されているし、その両方の統合なのだから、教育市場の拡大もウェルカムだと思っているはず。

☆こういう方向性を見据えれば、教育市場の障壁といえば、もう説明するまでもないだろう。そう、それを打開するしかないわけだ。ますます私立学校の意味は重要になっている。しかし、どうも私立学校への投資を阻むわが国の教育行政は、世界の常識とは違うようだ。こんな国内事情を背景にしている野田首相がバースデーケーキで慰めらるのもしかたがないか・・・。

|

« 聖学院 進路指導の促進と21世紀型授業の充実 | トップページ | かえつ有明 新局面を迎える »

グローバリゼーション」カテゴリの記事