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東京女学館大 閉校?

☆朝日新聞(2012年4月30日)によると、「東京女学館大、閉校へ 来年度から募集停止」とある。


東京女学館大学(東京都町田市)を運営する学校法人東京女学館の理事会は、同大の学生募集を来年度から停止することを決めた。現在の1年生が卒業する2016年3月で閉校する方針だ。決定は4月21日付。学生の定員割れが続き、約25億円の累積赤字があるという。東京・広尾にある小中高校は、運営を続ける。

 

☆25億円の累積赤字とは、凄まじいが、それが閉校に直接つながるだろうか?理事会が決める大きなきっかけだっただろうが、ビル・ゲイツにでも応援を頼めばなんとかなるのではないだろうか。

☆2002年に国際教養学部のみの4年制大学にシフトしたが、そのときの館長渋沢雅英先生は慧眼だったと思うが。かなりリベラルアーツ的だったし、実際に講義も新しい方法をとっていた。しかし、同紙の記事によると、

理事会は4月下旬、教職員や文部科学省に大学閉校の方針を伝え、学生らに通知文を発送した。5月1日からは、学内で学生らへの説明会を始める予定。教授会は「教授会に何も知らせないまま決めた」として、募集停止の撤回を求めている。

☆要は、渋沢雅英館長も途中で、たしかお辞めになっていたから、学内のマネジメントやガバナンスを構築することがうまくいかなかったのだと憶測する。『教授会は「教授会に何も知らせないまま決めた」として、募集停止の撤回を求めている。』とあるが、この判断が官尊民卑や学尊民卑から発しているとしたら、あるいは自己保身・自己防衛機制だとしたら、スモールサイズの大学は、赤字を他で吸収できないから、経営陣もサジを投げるしかないということだろうか。

☆そいう硬直化した組織には、イノベーションは期待できないから、ビル・ゲイツなどからのサポートを得ることは到底不可能のであろう・・・。それにしても渋沢雅英館長との出会いが1998年だから、アレッどこか・・・と思ってから15年たつとやはりそういう結果かあということになるのだろうか。

☆女学館の初等中等教育はそんなことはないので、大丈夫だと思う。偏差値というのもこういう時には、とりあえず学校のサバイバルを助ける指標になる。もちろん、それに頼っていてよいのかというのは、また別の問題である。偏差値以外の指標でサバイバルできる底力を持っているかどうかが今後問われる時代。

☆というのも偏差値に依存している学校の組織は、福沢諭吉的な独立という体制ができていないことを表しているようなものだからだ。東京女学館大の行方は、ブランドが有効でないことも起こり得る重要な事例として、轍を踏まないようにするための研究モデルになるかもしれない。

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