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佼成学園女子 大学合格実績も志願者も増加

☆『サンデー毎日』(2012年5月27日号)の特集 「わが子の学力を伸ばしてくれる私立中高一貫校」 において、佼成女子が掲載されている。

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☆「2010年の早大・慶大合格者が10人未満から2011年に5人以上合格者が増えた学校で、志願者が増加した私立中ベスト5」の「第4位」にランキング。その理由として、記事ではこう紹介されている。

「4位の佼成学園女子は英語教育に力を入れていることで知られている。英検1級の生徒が3人、準1級が5人もおり、そうした成果が大学合格実績の伸張にも結びつき、今年の入試で人気を集めたようだ。」

☆この編集では、中学受験の志望校選択において、大学合格実績は最重要で、特に学校選択に父親が影響を与えるようになったために、データ重視で選択決定するから、ますます重要性は増してきたというのが要。

☆これは間違いがないが、大学合格実績を出せばよいというものではない。佼成学園女子も英検祭りを行っているが、むしろそのために先生方が生徒のモチベーションを測る化するデータ(形成的評価)を創意工夫したりする学びの雰囲気があって、その結果英検1級合格者もでるし、またニュージーランドの留学へのモチベーションも盛り上がる。NZとの国を挙げての交流に結びついているほどで、そういう新しい学びの場の形成が、大学合格実績を生み出しているのである。

☆本当にデータ重視をする父親であれば、そのデータの背景やコンテクストを読む情報リテラシーを有しているから、実績だけではなく、グローバルな社会にマッチングする教育や学びの場を探す創意工夫をする。つまり質的リサーチを積極的に行う。

☆そういう質的リサーチの多角的視点を持っている父親が、親子で佼成学園女子を訪れると、どんどん情報が入ってくる学びの場(つまりアフォーダンスということ)ができていることにすぐに気づく。

☆21世紀型教育の扉を開いた人物の一人に元イギリス首相のブレアがいるが、彼のその新しい時代の学びのイメージは“Multi-dimensional”とか“Brilliant minds”などのキーワードで表されるのだが、そのキーワードがピッタリの学びの雰囲気のある場が、正面玄関からはいったところにある。

☆ところで、今回のサンデー毎日の記事で最高に優れたところがある。それは、大学合格実績増と志願者増の相関を前面に出しながらも、大学合格実績と中学入学時の偏差値は、あきらかに相関がないことが読み取れるデータを公表していることである。

☆よって、大学合格実績が増えているかどうかでまず選択校を絞り(実際には意外と難しいリサーチが必要なのだが)、次は学びの場や環境の質をリサーチすれば、学校選択は成功する。そこに偏差値というバイアスを入れてはならないのである。偏差値はあくまで、志望校の競争相手の情報の一つに過ぎない。選抜試験である以上、明日の仲間であるライバルの情報を知ることは大切だぐらいの情報で、学校選択の決定的判断基準では全くないことを明らかにしている記事だった。

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