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オランド新フランス大統領に学ぶ

☆一般に、オランドの勝利なのではなく、とにかくサルコジの敗北をという流れが、オランド新大統領を生んだのだと言われる。

☆たしかに、金融市場の取引総額/年は、GDPを飲み込んでしまうほどの規模だろうから、EUの緊縮財政政策に背を向け、フランス一国の財政出動をしても、政府支出が増えるから、GDPはもしかしたらあがるかもしれないが、しかし、砂漠に水を撒くようなものだし、限定的な経済回復だとみなされている。

☆ところが、北海道大学准教授の吉田徹さんによると、恐怖におののくフランス庶民の心を希望へと導いたのは、オランド氏のコミュニケーションの勝利だったという。

☆庶民を大衆と決めつけ、ポピュリズムを利用しようとしたサルコジ大統領は、結局しっぺ返しを被ったのだと。格差を広げ富裕層にいい顔をしたサルコジ大統領は、結局人数では圧倒的に多い庶民層を味方につけられなかった。

☆18歳で選挙権のあるフランスである。若者に権威や格差を受け入れさせることは無理である。こんな簡単なこともサルコジ大統領は気づかなかったのだろうか・・・。

☆ここにはシステムへの過信があったのだろう。しかしこのシステムは庶民という個人の消費と税金で成り立っている。かれらの不安と絶望を希望に変えることが重要なのはいうまでもない。システムの本当のユーザーを見誤ったということだろう。

☆やはり大事なことは格差なきコミュニケーションである。がしかし、それが錬金術のスキルでしかなかったら、再び庶民は見放すだろう。

☆民主主義とは庶民の心のシステムを知ることから始めなければならないということだろうか。米国があれだけ心理学が盛んな理由はここにあったのか。どんなに学問が進んでも、その基本は人間のケイオスの心の渦である。アポロよりデュオニソスをたたえる国民はどこの国だったか?なるほどEUは、ドイツの理性で抑えることはできない、ケイオスを抱えている。ニーチェはなかなか慧眼の持ち主だったということだろう。

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