Z会西村社長 メタ能力語る
☆Z会のサイトで、西村社長のメッセージが掲載されているが、そこでメタ能力について次のように語り、話題になっている。
成長する余地のことを「伸びしろ」といいます。環境変化が激しい現代においては、伸びしろという意味での変化-変身するという潜在能力が、子どもたちの将来を左右するように思えてなりません。学力=学ぶ力というのは、変身できる力とも言えるメタ能力ではないかとも考えたりします。このメタ能力は、自身の経験や獲得した知識を、次の同じような場面・状況で望ましい結果を得るのに活用するという意味で、復習と密接な関係にあるのではないでしょうか。
☆メタ能力とか、メタ認知力とかいうキーワードは、私立中高一貫校(たとえば、21会の先生方や新しい学びフェスタで活躍している先生方、新しい評価研究会のイノベーティブティーチャーなど)でもときどき耳にする。モニター能力というメタファを使われる時もある。しかし、西村社長が語るように自分を変身できる力だとすると、モニター能力では、すこし静的で、ダイナミックな感じがしない。
☆やはりメタ認知という能力は、もう少しダイナミックな意味も含んでいると考えたほうが良いのかもしれない。
☆フランスの大学生とチーム学習をするチャンスがときどきあるが、かれらはチューターとは呼ばない。モニターと呼ぶのである。モニターは変化しない。変化するのはチームメンバーである。このチームメンバーのリサーチや議論や編集、プレゼンの外的な環境とモニターを含めて丸ごと内在的な能力として、一人ひとりに埋め込まれたとき、その能力をメタ認知能力と呼ぶのではないだろうか。
☆チームメンバーとの学びの過程が、自分の学びの方法と化していく。まさに変身そのものであるし、変身するにはメタ認知能力を形成する学びの環境が重要ということになる。
☆本来振り返りとかPDCAとかいうものもメタ認知能力が稼働しなければならないのが、どうもプログラムやプランの中で、役割分担が行き過ぎていて、十全にメタ認知能力が働いていない場合が多い。
☆まして復習とは、単純反復トレーニング的な意味が強いのが本当のところだろう。それが復習=メタ能力だという西村社長の発想は、傾聴に値する。
☆おそらくこの発想は、目の前でメタ能力を身につけて自己変革していく子どもたちをたくさんみているご自身の経験から生まれてきているのだろう。
☆筑駒の生徒が「中3の段階で、メタ認知力を身に着けているなあと意識できるプログラムがあるんですよ」と語ってくれたことについては、以前紹介したが、そのメタ認知力をもった彼らが、他校の生徒の体験や実験のプログラムのプレゼンに前のめりになって、興奮して耳を傾けている姿に驚愕したのを憶えている。
☆興味や関心、モチベーションは、ものに規定される時もあるが、内燃することが大前提である。つまりこの内燃装置がメタ認知力ということなのだろうか。
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