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東京女子学院 未来の教師を育てる

☆東京女子学院は、その教育の質の豊かさを、企画広報室を新設して、世の人々とシェアしはじめた。ここ2年間、校長と副校長が先頭に立ってやってきたことが花開き、入学者も3倍に増え、教育の倫理と経営の論理の循環の基礎ができた。

☆そこで、その基礎・土台にいよいよ東京女子学院の大切にしている「心の目」「心の耳」を育てる教育システムを再構築しようというのだろう。

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☆その片鱗は、同学院のサイトで校長が述べている次の文章に反映されている。

教育実習の3週間が過ぎました。質の高い実習生たちでした。「目は心が用意するものだけを見る」と言います。耳は心が用意するものだけを聞くのでしょう。敷衍すると、言動も心が用意するものだけが顕れることになりますが、心の目、心の耳が備わった3名でした。その姿に、生徒は憧れを持ち、自分の将来の姿を重ね合わせたはずです。

☆ここには、自然と社会と精神がリンクしている東京女子学院の教育が生き生きと語られている。だからこそ、教育実習生は、次のような教育実習日誌を書くのである。

今日は大失敗をしてしまいました。高校2年生の選択音楽の授業でした。レベルを学年に応じて今までより高くして臨まなければならないという思いが、完全な空回りを招いてしまいました。ひどく焦ってしまい、生徒が歌いやすい伴奏や導き方もできず、その場を凌ぎ繕う安易な授業展開だったことに、悔やんでいます。どんな状況下でも生徒優先で授業をしなければ指導の意味がありません。実習生として生徒と向き合う前に、自分自身を見つめ直し範を示す言動がとれるよう、考え直したいと思います。

☆生徒の成長は、自然と社会と精神の循環をいかに自分で自己実現の中に埋め込むかの過程である。この過程をサポートする教師は、ヴィゴツキーの言う「最近接発達領域」を生徒一人ひとりに見出せる「心の目」「心の耳」を持たねばならない。

☆東京女子学院の教育実習生は、この「目と耳」の獲得に格闘したに違いない。

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