今なぜ別学教育か?メモ⑥
☆男子校、女子校でも、それだけではMOレベルで終わってしまう。「理念」という条件によってCDレベルに転換できるかどうかなのだと、前回書いた。
☆それはどういうことか?私立学校は建学の精神があるから、理念はあるじゃないか!と言われるかもしれない。だが「理念」の質が問題である。
☆たとえば、渋谷教育学園グループは、共学であるが、論文編集の大教育活動を行っているために、COレベルまでは育成する教育を構築している。しかし、CDまではいかない。というのは、同学園グループの理念は、グローバル人材は作ることができても、世界市民は作ることができない。生徒が自らそうなることはできても、生徒全員をそうする教育は行っていないのである。
☆このグローバル人材と世界市民の違いは何か?それは内村鑑三の「後世への最大遺物は何か?」が参考になる。事業で成功するのもよい、教育で成功するのもよい、執筆業で成功するのもよい。それはそれで、後世への立派な贈り物である。しかし、それはグローバル人材としての役割であって、世界市民としての役割には到達できない。その領域に達するキャリア教育は、そんな進路先教育ではなく、「勇ましい高尚なる生涯」を送る人材を創るという最高の理念こそポイントなのである。
☆まさに鴎友学園女子は、この教育理念を邁進しているのである。だから、同学園の教育には、すべての在校生及びOGにCDレベルに達するチャンスが開かれているのである。
☆この理念の高さという意味での質のありなしが、MOやCOレベルでとめるか、CDレベルまで開かれているかの大きな違いなのである。
☆この鴎友学園女子のようにCDレベルまで開かれている男子校、女子校、共学別学校を選択することが、激動と大混迷の時代に直面しているわたしたちにとって、最重要である。そして、そういう学校に改革していくことが文科省の使命である。
☆憲法で公立学校は宗教教育をしてはいけないというルールがあるから、それはできないのだと盾にとられるが、高邁な理念教育は何も宗教教育でなくてもできるのである。もっともこれまたショートしそうだからと、リスク回避がはやくもされてしまう領域なのであるが。
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