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埼玉教委×インテル×東大「21世紀型スキル育成」

☆ITpro(2012/07/10)によると、

埼玉県教育委員会は2012年7月9日、インテルとCoREF(東京大学 大学発教育支援コンソーシアム推進機構)の協力のもと、教員向け研修「21世紀型スキル育成研修会」を開始すると発表した。児童生徒のICT活用力、問題解決力、協働力、思考・判断力、コミュニケーション力といった「21世紀型スキル」を育成するための授業手法を、埼玉県内の小中高等学校に広めることが目的だ。

参照記事)→リセマムの記事はさらに詳しい!

 

☆公立学校も積極的に、21世紀型教育に挑戦するという動きになっていくことは大歓迎である。

インテルが日本を含む世界70カ国で展開している教員研修プログラム「Intel Teach」と、CoREFが推進する「協調学習」の手法を組み合わせて構成した教員向け研修プログラムだ。

☆これまでの一方通行的な講義形式の授業を、対話型でコラボ型の授業にシフトするスキルにシフトしようという動きだが、国や自治体が高校留学を促進したいわけだし、東大もグローバル人材養成コースを設置したり秋入学を設定する予定なのだから、その条件づくりとして、中高の義務教育段階で、児童生徒のICT活用力、問題解決力、協働力、思考・判断力、コミュニケーション力を身に着ける授業を展開しておくのは流れだろう。

☆もっとも注目したいのは、Intel Teachの評価法である。教師の研修をリアルな研修とオンライン学習の両側面からやっていくわけだから、当然、児童生徒の評価もオンラインで行われることが前提である。21世紀型スキルはそういうところにも、当然ながらICTを活用する。だからインテルが協賛するわけだ。

☆もう一方の東大のCoREFが推進する協調学習は、協調学習の手法の1つ「ジグソー法」を使うということだが、これは総合学習や教科横断的なプロジェクト学習が生まれた今世紀初めには、私立学校ではすでに授業の中で実践されてきた。

☆明大明治の社会科の松田先生を中心として、実際、研修も行ってきた。したがって、こちらは「学び合い」の授業などで、すぐに使えるだろう。しかし、その新しい授業の評価作りがたいへんだった。松田先生は、この新しい授業のための新しい評価づくりに心血を注いだだけでなく、膨大な時間を費やしていた。その努力を拝見して、ICTによる自動化サポートが必要だと感じたものだ。

☆つまり、今後重要なのは「新しい評価」である。これによって、テストと授業が逆照射される。脱偏差値には欠かせない偉業となることを期待しない。

☆ただし、インテルの学習フレームは、創造力や脱慣習、脱構築という広さを持っている。それは欧米の義務教育段階での哲学教育の根底に、近代化の矛盾をいかに解決すべきかというテーマが常にあるからである。そしてそれこそが、21世紀型スキルのテーマでもある。

☆ところが、日本の場合、学習指導要領が、相変わらず近代の矛盾隠ぺい型で、そこを超えようとしない。

☆おそらくインテルは、カンパニーであるから、クライアントを変えようとはしない。クライアントのオーダーに合わせるだろう。そうなると元の木阿弥。

☆しかし、70か国に営業をしているから、その成果を事例として持ち込み、結果的に学習指導要領のフレームまで壊れるというのは望ましい。トロイの木馬であらんことを♫

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