「柴崎俊子祝賀会」 in 中村新館Lady もう一つの私学の系譜
☆今週22日(日)、中村学園新館「Lady」で、柴崎俊子さんの盛大な祝賀会が催された。柴崎さんは、「児童文芸家協会 第51回児童文化厚労賞」を受賞されたのだ。
☆柴崎さんとは、20世紀末にある本を企画するときに編集者としてご協力いただいたのが出会いだった。そのときの出会いが、今も続いている私学の先生方だったし、祝賀会当日お会いした藤田のぼる先生だった。児童文学作家や研究者にもお会いした。
☆そのとき、柴崎さんが「解釈学会」創設者の山口正教授のお嬢さんだということがわかったし、その解釈学会の強力なメンバーに福田恒存がいたことを知った。私にシェークスピアとの出会いと言語とは何かに直面させた人物だったので、衝撃が走ったのを鮮明に憶えている。
☆柴崎さんは、川端康成の研究会や児童文学のサポートなどもしてこられ、その文学のネットワークとご自身の才能に恵まれた方である。今回の祝賀会の発起人にも、新川和江さんや谷川俊太郎さんなど多くの詩人が名前を連ねていたのはそういうことを物語っている。
☆銀の鈴社(柴崎さんが創業された)は、多くの詩人、作家の本を出版しながら、教育関係者の本も出版されているし、何より子どもの心を愛し「少年詩集」の全集を出している。ここからは、多くの教科書が詩を採用しているし、中学入試問題でも出題されている。まさに子どもの心の泉なのである。
☆私学の先生方と「授業リンク」という会を始めたとき、その会で研究発表をしたものを本として出版した時は、銀の鈴社からお願いした。
☆この本は3巻まで出版することができた。多くの私学の先生と「新しい学び」について議論でき、その議論は今も続いている。
☆銀の鈴社は、株式会社ではあるけれども、近代化以前の日本の心を大切にしている。私たちは近代国家日本ができてからの魔法しかしらない。だからその魔法によって呪詛された軛を解くことができない。しかし、近代以前の日本の心には、私たちの知らない魔法がある。その呪文を唱えると、私たちは解放される。
☆だから、現代を救う魔法の言葉である万葉集を研究し、万葉の花を描き続ける。これこそ、魂の伝道者である柴崎俊子さんの真実一路の真骨頂なのである。その魂は、文学、特に少年詩に脈々と引き継がれ、それを教育に活かす先生方(公立私立問わず)が柴崎さんの周りに集まってくる。
☆その心は東京女子大学で学んだ時から始まった。この大学の創設者は、内村鑑三と共に≪私学の系譜≫に位置する新渡戸稲造である。柴崎さんは出版社の経営者であるが、≪私学の系譜≫を保守する私学人でもある。そしてそのことを、発起人の一人であり、会場提供者の中村学園理事長小林先生は、魂を込めて語られた。
| 固定リンク
「文化・芸術」カテゴリの記事
- 村田沙耶香さんのNHKインタビュー 母校二松學舍柏で(2017.02.11)
- 「斉藤桂太」麻布のもう一つの知(2015.11.28)
- 2012年Nコン 豊島岡女子 中高両方の部で金賞 関東甲信越ブロックで(2012.10.01)
- 「柴崎俊子祝賀会」 in 中村新館Lady もう一つの私学の系譜(2012.07.24)
- 勇気 「子どものための少年詩集2011」から(2011.11.24)
最近のコメント