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聖学院 MITラボの夢実現

☆聖学院で、またまたおもしろいイベントがある。残念ながら非公開で、学内だけのイベントであるが。それは、レゴキング選手権の開催

Photo☆聖学院には、レゴによって、自分のイメージやアイデアを形にすることができる生徒がいる。

Seiglego


☆なんという素晴らしいできだろう。MITラボのシーモア・パパート教授が見たらきっと喜ぶに違いない。ここのところ聖学院は、授業において「学ぶ力・学ぼうとする力・共に学ぶ力」を養う学習戦略を実施しているが、その基礎である新しい学びを教室からはみ出して学校のイベントでも行っている。たとえば、

宇宙エレベータのワークショップ

プロジェクトマネジメントを活用した記念祭(文化祭)の運営

レゴキング選手権

☆これらの仕掛け人の一人である高橋一也先生は、こう語ってくれた。

ハードは長くつづかないんですね。特にiPad系。大切なのはそれを運用する環境づくり。運用と言っても、ただ使えるだけではだめなんです。MITラボのシーモア・パパート教授の言うように、自分のアイデアを自分でデザインでき、プログラミングもできるようになるところまで運用できるようになる環境という意味です。

ところが、今生徒ならだれでも使っているハードは、難しすぎて使えるだけで終わっている。そこで、レゴの登場です。レゴは敷居の低い教材です。自分のアイデアを、レゴで形にすることができるんです。この自分で形にする過程こそが、学びにとってポイントになります。

だから、レゴとプログラミングを連動するソフトを活用したいのです。これはMITラボが開発しているものです。マインドストームとかスクラッチのようなソフトは世界ではなん百万人もの子供が使っているのですよ。

また、MITラボでは、シェアやコラボレーションもキーワードです。レゴを仲間同士で使っている様子を観察して、シェアやコラボの過程をコンピューティングしています。だから、レゴを通してプロジェクトマネジメントを学ぶ共同学習の場を教室内から学校全体へと広げたいと記念祭(文化祭)の運営に応用しています。

そして、このような学習観は、日本ではまだまだ理解が得られにくいので、理解がされるのを待っているだけではなく、「宇宙エレベーター」を作成するプロジェクトを立ち上げ、国内・海外大学との連携を図っています。

  
☆高橋先生の発言は、ものすごく説得力がある。なぜなら、先生は英語の教師で、英語が使えるだけではなく、英語で自己表現ができるようになるところまで授業で展開する。そのときに電子黒板やiPadを自在に使いこなす。それでもハードを使っているだけではだめなんだと語る。高橋先生の電子ボードの授業は多くの教育関係者が見学にくる。もっとも、そのときに使い方以上のことを学んでほしいのだと心の中で願っているだろうが。ともあれ、高橋先生は、次のようなビジョンを持っている。

このような下地を作っておくと、大学や社会でICT能力、コミュニケーション能力(企画書の書き方なども含む)、そして英語力のある生徒を育成できます。昨今の大学生は学力低下などと言われていますが、それはコミュニケーション能力が養われていないからです。シーモア・パパートではないですが、ハードをいくら使いこなせても現実世界で生きていけないような人が増えていくとしたら、ちょっと恐ろしいですね。パソコンを使えても企画書を書けるかどうかはまた別の問題です。見た目の華やかさではなくアイディアを形にする力、それをこれらの企画を通じて育ててゆきたいのです。

☆そして、世界標準の学びのビジョンの資料として、「蘇るパパートの夢」という資料をプレゼンとしてくれた。ぜひシェアしたい。

“Reviving Papert's Dream”→PDF

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