「危ない大学」から「ポスト危ない大学」へ
☆洋泉社「危ない大学」を斜め読みした。そして、そろそろ「危ない大学」と言っているだけではなく、本格的に改革した方がよいとも。つまり「ポスト危ない大学」の時代到来。
☆というのも、小林哲夫さんが書いていた「騙されたくないあなたのための大学情報の読み方」というエッセイを見て、その大学情報を発信している実態そのものが、いずれも今の大学生にマッチしないという事態はどうするのかと感じたからだ。
☆パンフレットやウェブサイトの情報に騙されるなとある。たしかに針小棒大に宣伝しているものもあるだろうが、それしか発信できないというのが実際の広報媒体の編集段階の悩みであるはずだ。
☆発信できるコンテンツを実際に持てる大学づくり。それをしない限り、選択肢なき大学情報の正確な読み方をすればすれほど、マッチする大学がないことが浮き彫りになるだけである。
☆また諸星裕教授の大学を作りすぎたというのも、もしかしたら違うかもしれないとも思う。今までのような大学を作りすぎたというのが正しいのでは。「ポスト危ない大学」ができれば、大学進学率90%でもあり得る話である。
☆だから、研究機関の大学を少なくして、早稲田、慶応を含む私大はみな教育機関として専念しなさいということだろうが、研究と教育を分けること自体20世紀型であるのではないか?「ポスト危ない大学」はむしろ、そこは交差するのではないだろうか。
☆この情報化時代になおも大学でリベラルアーツをというのは、本来はおかしいだろう。もちろん、やってこなかったのだから、過渡期としてやるのはよいと思う。しかし、高校でこそリベラルアーツをやりたいものだ。もっとも諸星教授が教育機関とリベラルアーツを等しくみているかどうかは推測にすぎないが、リベラルアーツ以下の教育機関であったら、もはやそれこそ「危ない大学」そのものである。
☆ともあれ、18歳で成人。18歳で選挙権。そうしていかなければ、モチベーションは下がりっぱなしの日本である。いくら長寿の時代となったとはいえ、ロミオとジュリエットの青春時代はリベラルアーツ時代に駆け抜けたいではないか。もちろん、死んでしまっては困るが。ロミオは17歳、ジュリエットは13歳であったということである。
☆近代化の影は、このアンビバレンツを疾風怒濤の思春期時代から奪い、恒常化・普遍化したところに誤りがあるというところから大学改革は始まらなければね♫
☆新島襄の出身校アマースト大学 Amherst College (マサチューセッツ州)やオバマ大統領の在学校(3年生のときにコロンビア大学に編入)オクシデンタル・カレッジ Occidental College (カリフォルニア州)、クリントン国務長官の出身校ウェルズリー大学 Wellesley College (マサチューセッツ州)のようなリベラルアーツカレッジを超える大学像。これが「ポスト危ない大学」だろうということか。
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