西武文理 学びの組織
☆今年は、何やかにやと1週間くらいスケジュールが前倒しだ。いやいや1週間どころではない。多くの学校で、夏の準備、秋以降の準備、来春の準備、2015年に向けての準備など、ビジョンと戦略の話で盛り上がっている。
☆西武文理の佐野先生、金井先生もそうである。お2人の先生とは、「新しい学び」や「新しい評価研究」の場で時々お会いするが、昨日は夏の新しいプログラムについてのお話をお聞きした。
☆どうやら防災教育の新しい学びのプログラムのようだ。創造的復興教育協会の事務局次長小村氏とその仲間たちも議論に参加していた。つまり、実際に東北の被災地で、子どもたちと「コラボ・スクール」などのNPOの活動をともに支援している方々と創出するプログラムということ。
☆だから、災害が起きたときのために、避難訓練をやりましょうというものとはかなり雰囲気が違っていた。実際、佐野先生も毎月のように被災地に足を運び、復興支援のために協力しているという。
☆応援している産業の一つに、岩手県の宮古水産加工団地がある。論より証拠、そこの山根商店の「はらこしょうゆ」といういくら醤油漬の味をいただいた。この美味な味がどのような生産過程でできあがるのか、地元の人の50年以上の創意工夫がつまった味であり、その創意工夫の伝統を今回の震災でなくすわけにはいかないという。
☆その創意工夫の過程こそ、新しい学びのプログラムと等価であり、それゆえそのプロセスとシンクロするような知を結集したいということのようだ。
☆私は、そのプログラムを通して、子どもたちが、日常無関心になりがちなさまざまな事象に対して、当事者意識やイメージをシェアする内発的モチベーションがどのくらい生まれたのかを、振り返ることができる新しい評価の方法をいっしょに考案するということになりそうだ。基本は≪MICモデル≫を瞬間瞬間のプログラムに適用するということになりそうである。
☆学びとは、結局生きる過程そのものである。その過程が子どもたち1人ひとりの内面に宿るには、学校だけではなく、生活圏すべてが学びの環境になることが必要だろう。過程より結果しか重視しない都市生活、それを変える大きなヒントが、今回の3・11によって、新たにいっしょに生活圏を創り出さなければならない道行に刻まれる。
☆西武文理のお2人の先生は、その刻印の一つをかたどろうとしているわけだ。そして、このような先生方を輩出する西武文理は、学びの組織になっているということだろう。学びの組織はトップダウンのみならず、局所から創発が起こるというのがセオリーだからである。
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