聖学院 レゴキング選手権[03]
☆というのも、どうやってあるいは何を基準に取捨選択しているかという、データマイニングの視点が隠されているからだ。どの生徒に聞いても、明確な基準があるわけではないが、だからといって闇雲に選んでストックしていくわけではない。
☆まずはイメージの基準がある。水しぶきと海。そこで色の取捨選択が始まるわけだ。ただし、そのときどんな形になるかはまだラフ。そこで必要以上にパーツをストックする。海のイメージも最初はもっと広いが、海であるイメージが相手に伝わればよいと気づいた段階で、海のイメージは形ではなく、色という記号で示すことに決めたわけだ。形はトルソーでよいわけだ。レゴが形状から言語構造にレベルアップする瞬間である。
☆ジェットスキーは、言語の構造を組み立てるときに、削除とか記号の節約とかいう機能を活用しているが、上記写真のような夏のテーマパークの場合は、水上滑り台が最初のコアイメージだったそうだ。これを作成した生徒は、第1部のお題「カメ」のときもそうだが、レゴは接合すると動かないという固定観念を崩そうというコア概念がある。
☆この固定観念を崩すというのが彼のメンタルモデルになっているという。そしてそれにしたがって、メイン部分を作っていくうちに、水上スキーとは逆に、その延長上に追加する形が見えてきて、あとからそれを組み立てたという。
☆しかし、そのときにはすでに他の生徒が適切なパーツを持ちだしているから、実際には不足するのではないかと問うと、第1回のステージで、ストックしておいた分があるので大丈夫であると。
☆つまり、自分のデータベースを作っていたということなのだ。外部データベースというリソースと内部データベースというリソースの両方への目配りは、いろいろな領域でカバーできる思考の型である。
☆いずれにしても、
パーツの削除・倹約
パーツの追加・挿入
パーツのストックの棚卸
パーツの組み換え
パーツの創造的破壊・固定観念の破壊
☆などなどが、レゴを通して行われている学びのプロセスであるが、この「パーツ」を「知識」に置き換えるや、概念形成という思考力育成のプロセスに転移する。
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