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≪私学の系譜≫ ヴォーリズの意味[03]

☆清水安三が中国に渡った当初は、MFOを持ちながらも、経済的には独立自尊の気概を持てなかった、というのも関西の組合教会本部から宣教師として派遣されているという形だったからである。それゆえ、その本部の意向によって振り回されたわけだ。

☆しかし、牧師手当も4分の1に減らされて、北京に派遣されたとき、日華事業協会と出会うことになる。清水安三は、この協会に提案して児童救済のための施設をつくることになり、そこの責任者として活躍する。

☆ところで、この日華事業協会であるが、会長は渋沢栄一である。日本の株式会社や金融業界の創設者であると同時に、多くの私立学校の創設もしている。渋沢の信条は、道徳経済一元論である。その精神をわかりやすく編んだ本が「論語と算盤」である。渋沢栄一もまた、≪私学の系譜≫の一人である。

☆渋沢栄一が創設あるいは創設に大きくかかわった私学に東京女学館と日本女子大があるが、MFOを経済的に独立自尊の気概で普遍化しようという精神が継承されているかどうかは残念ながら時流に合わせてサバイブする中で見失われているようである。

☆それはともかく、日華事業協会との出会いが、清水安三をヴォーリズと同じ生き様を歩むように背中をおされることになる。教会ではなく協会によってというのがなんともアイロニーなのだが。。。

☆こうして3万人以上の子どもたちを救うことになるのだが、それを評価して日華事業協会は、清水安三に感謝状と謝礼を送った。清水は「このお金は祖国日本の人々が中国の子どもたちに送ったものだ」と考え、いよいよヴォーリズ流儀のMFOを経済的に独立自尊の気概で普遍化する仕事にとりかかる。

☆児童を救済する施設のまわりは、貧しい人々が住まうスラム街だった。特に女の子は、このような状況では、同じように古今東西被害者である。売られてしまう子がほとんどだったのである。そこで、清水安三は、待ち受けている苛酷で、痛ましい運命から女の子たちを救い出すために「工読女学校」を設立した。読み書きそろばんだけではなく、手に技術を身に着ける女学校である。

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