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第3回「新しい評価研究会」 ビジョンとバージョンアップ

☆昨日28日、聖学院小会議室で、第3回「新しい評価研究会」が開催。多数の私立学校の先生方と教育産業のスタッフなど15名による越境活動。西武文理の金井先生・佐野先生が、夏休みにかけて実施したプログラムとその評価測定の試みについてプレゼン。

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☆金井先生は、この夏東北で開催された創造的震災教育の活動の一環として「想定災害避難教育」のための新しいプログラムを開発実施。生徒は、チームごとに「防災マルチプル電子図鑑」で、さまざまな過去の災害の様子を見て、改めて災害の種類の多さとそれらの凄まじさを実感し、想定される災害について議論をする。そしてそれに対して、従来の避難訓練では備えにならないことを確認し、新たな備えを考案するというプログラム。

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☆ミッションは、災害の情報を客観視して終わらずに、いかに自分事にひきつけられるかというビジョンを体得することと備えの構えのバージョンアップをシェアすること。

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「実施したプログラムのポートフォリオを金井先生は作成し、公開」

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☆このプログラムは、「もし〇〇が起こったら・・・」というテーマがついているところからもわかるように、「〇〇」の部分が、災害でなくても、戦争でも、葛藤でも、幸福問題でも、経済問題でも、何にでも応用・転移ができる。重要なパラダイム転換は、情報を客観的に認識するだけではなく、情報を自分事の痛みと思える心的構えを再構成・脱構築できるかということだ。

☆従来の勉強では、おそらく信じがたいであろう。なぜなら入学試験のようなものをゴールにすると情報は客観的でなければならないからだ。しかし、教育領域以外の科学的世界では、客観は重要であるが、果たして客観かどうかの検証可能性の方が重要であって、そのような認識方法を共同主観へのパラダイムチェンジなどと言ったりする。

☆したがって、この新しい評価研究会は、入学試験のための評価ではなく、人間存在そのものがどのように活動していくか、そのためのヒントや支援となるような情報を子どもたちといかに共有できるのかというのがビジョンであることが改めて確認された。

☆そして、この会の課題図書の一冊「プログラム評価」(安田節之著)の中で紹介されている方法論の一つである「エンパワーメント評価」を使って実際にプログラム実施前と実施後の生徒たちの自己決定による評価の結果についてもプレゼンされた。

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☆エンパワーメント評価と今までの評価(たとえば、偏差値)を比較して最も違うところは、生徒があらかじめ決められた評価で、暗黙のうちにランキングづけられ、その評価に従属させられてしまうのとは違い、プログラムを作成して参加する教師も生徒も議論して評価項目を参加者自身が決定していくところにある。

☆評価の結果の情報公開ではなく、プログラム作成・実施のプロセスにおける評価の情報公開・共有が行われていくことである。ただし、今回は生徒巻き込んで評価項目を作るところまではいかなかった。作成者とその支援者が議論をして作成したので、生徒を巻き込むのは次回の課題。

☆ともあれ、このようなビジョンについて、今回もまた大いにディスカッションし、金井先生のプログラムとその評価を、他校でも追体験することに決まった。いよいよこの会のメンバーの学校でビジョンを共有し、実験を実施するというバージョンアップが生まれた瞬間だった。

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☆また、参加型評価によって実施する新たなプログラムを作成し行ってみるという学校も現れた。スプートニックショック以来、日本の教育界も紆余曲折し、未だに学歴社会から抜け出せないでいるが、82歳で亡くなったニール・アームストロング船長の言葉「これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては大きな飛躍だ」が、やっと教育月面にも刻まれるのではあるまいか。

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