開成の教育方針 破格?
☆本日の東京都私立学校展で、開成学園の資料を手に入れた。相変わらず、この資料の中のQ&Aは、開成ならではの抱腹絶倒なクエスチョン。たとえば、
○運動会を見てびっくりしました。僕は体力に自信がないのですが、大丈夫ですか。
○問題を起こすような生徒はいますか。
○やはりまじめな生徒が多いのですか。変わった生徒は多いのですか?
〇生徒に対する面倒見が悪いと聞いたことがありますが、どうですか?
☆果たしてどのようなアンサーが用意されているのであろうか?自分で考えてみるとおもしろい。ピタッと一致すれば、開成の方針と相性が合うということなのかもしれないし、多様性という観点からは、違うからますます気に入ったということになるかもしれない。
☆私学展は、明日も開催されているので、興味のある方は入手しに行ってはどうだろう。
☆ところで、開成は1999年前後に学内で話題になっていたことがあるが、経済の空白20年の間に、日本の教育全体がガラパゴス化した経緯もあって、しばらく動きが見えなかった。それがここにきて再び動き始めていると聞き及ぶ。
☆この点に関し、柳沢校長は、資料の中で、そのような選択肢を選ぶことを暗示している。卒業するとき、自分の意思決定の軌跡が、141年前の開成学園の創立の精神につながっていることを発見するだろうと。
☆141年前、開成は初代校長高橋是清と共に、世界に目が拓かれていたのである。99年ごろは、留学生10万人計画がなかなか達成されず、それでよいのかと国際理解教育の重要性が大いに話題になっていた時代である。麻布もグローバリゼーションを教育にどう接着させるか当時の国際理解教育担当の氷上先生(現校長)がリサーチされていた時代である。
☆2003年には10万人計画は達成したものの、グローバリゼーションの激動の中で低迷し続けた。そこで2008年、文科省は2020年を目途(目標ではない?)に、「留学生30万人計画」を策定した。同時に経産省や大学は、グローバル人材育成計画にとりかかる。
☆にもかかわらず、ガラパゴス化は進行してしまった。そこで昨今、東大をはじめ多くの国立大学で秋入学やグローバル人材育成コースなどの検討議論が真っ盛り。IBの日本語バージョンの話題やTPP参加でもしようものならプレップスクールが日本に上陸するぞといった話が盛り上がっている。
☆この手の話は、東大卒の官僚がツルンデいるから、当然開成にもインサイダー(金融業界ではないから、このような情報こそが、重要になるとは、ジャック・アタリ)な情報が流れている。
☆中学受験それ自体はまだまだ20世紀型受験市場の枠内で動いているが、その枠組みはすでに崩壊している。それに気づいている幾つかの塾と予備校が次のステージにシフトしよとしているということである。
☆それにしてもこのシフトが遅れたのはなぜか?それは、中学受験では、受験生がモバイルライフを送っていないことに帰因するのであるが・・・。
☆開成は、そのことに気づいている。先ほどのQ&Aに次のようなクエスチョンがある。
〇生徒は自由にインターネットを使用してもいいのですか?
☆これに対するアンサーを見ればわかる。中学と高校では、インターネットの利用の仕方に差がありすぎる解答だからだ。
☆グローバリゼーションで最も重要なアイテムであるモバイルを使えない道徳が、市場を凍結するという格好の例である。モバイルライフとは、化石燃料資本に代わるインターネット資本をベースにしている。その資本を活用できない市場はもはやあり得ないだろう。
☆もっとも、「インターネット資本」なんて発想は、A.ELLIOTTの“MOBILE LIVES, Routledge 2010”の受け売りに過ぎないのだが・・・^^;
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