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新しい教育のヒント マッツィーニの思想

☆聖学院の高橋先生に、ジュゼッペ・マッツィーニの思想を紹介して頂いた。150年前、近代イタリアへの道に影響を与えた思想である。少し遅れて日本も近代国家への道を開くが、そのときマッツィーニと同じような思想を広め深めたのは、福沢諭吉、新島襄、江原素六、嘉悦孝、棚橋絢、次の世代の内村鑑三、新渡戸稲造、石川角次郎ら≪私学の系譜≫の先達者。

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☆彼らは、価値観や微妙に論理展開は違っても、自由、平等、友愛とそれを支える自己犠牲と殉教の責任を背負ったという点で共通している。

☆それはマッツィーニも同様であるが、彼は破格である。社会主義や共産主義を否定し、近代資本主義の道も糾弾し、その当時からマックス・ウェーバーと同じ視点で経済社会を捉えていたのだから。

 

☆Man for othersを経済的に独立自尊の気概のみならずテクノロジーとアイデアを活用して自立して実現していくという点で、すでに新しい社会と新しい個人について考え抜いていたというのは驚きである。

☆特に彼は友愛を、「アッソチアツィオーネ」と呼び、所有と生産手段と知力を兼ね備えた社会的結合を意味した。これは21世紀になってやっと実現したSNSのようなソーシャルメディアの絆モデルに他ならない。

☆市民によるアッソチアツィオーネの結成とその背景にある殉教と自己犠牲の精神がつくる自由と平等。ハワード・ガードナーが教育共同体レッジョ・エミリアの研究をし続けていたのは、そういうわけだったのかア!レッジョ・エミリアこそ、意識したかどうかはわからないが、レジスタンスと教育共同体を生み出した、つまりマッツィーニの遺伝子が継承されていたということだろう。

☆それにEUの父クーデンホーフ・カレルギーの友愛思想もすでにマッツィーニが語っていたというのは、今のイタリアの情勢をみると皮肉でもあるが、再びイタリアが普遍的近代化を目指すヒントもある。

☆150年という歳月は、長いようで短い。

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