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21世紀型教育 インパクト理論とエンパワーメント評価

☆人間のあらゆる活動は、意識していようがいまいがプログラムである。物語のシナリオと言ってもよいかもしれない。そんな馬鹿な!と思うかもしれないが、それは自立していない証拠なのであるから、ご注意あれ。人生をプログラムだとか物語だとか考えたくないというのは、誰かにシナリオを書かれている、デザインされているのに気づいていないこと。

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☆上のイラストは、安田節之先生の本から。20世紀型教育のプログラムの作り方とその評価の絵。安田先生は20世紀型教育2.0くらいの想いで描いていると思う。教師ではなくて支援者になっているし、利用者である生徒1人ひとりのメリットについてきちんと配慮しているからである。

☆しかし、20世紀型を抜け出せないのは、支援者が一人だし、支援者が評価することになっている。支援ではなく、教えるとなり、一人ひとりのメリットではなく競争なんて置き換わると、この絵はすぐに20世紀型教育1.0に転落する。

☆ここでは、そのことより、支援者が与えるプログラムも評価も、利用者は関係ないのである。つまり、利用者はプログラムや評価という物語は、自分たちでつくるのではなく、他者に与えられるものなのである。さて、この支援者が政府官僚だったらどうだろう。彼らは立法し政策を立案する。それを国民が詳細にわたって、チェックしているだろうか。

☆こんなに税金を払わなくてはならないのかあ萎えるなあという感情や行動は、あたかも偶然生まれたかのように思い、諦めている人がほとんどだろう。しかし、偶然なんかではない、そう思わせられる事態がプログラムされているし、シナリオは書かれているのである。

☆私の偏差値は60だ40だとか一喜一憂しているが、その評価は相対的に比べられているだけなのに、レッテル貼りされている。そして自己否定感をつのらせ鬱屈しているキャラを演じさせられている。もうそれはやめようよ。そんな自分を貶めるようなショックプログラムから抜け出ようよ。

☆というわけで、安田先生は21世紀型1.0のプログラムと評価の絵を次のように描いた。

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☆イメージもネットワーク型で、なるほど21世紀型ではないか。プログラムをつくる支援者は複数。評価するのも「誰がどう評価するの?」となっている。必ずしも支援者だけではない。どう評価?ということは偏差値が前提になっていない。利用者の数も多くなり、それでも一人ひとりのメリットをケアしている。結果、支援者にとってでも利用者にとってでもなく、社会的価値、つまり共に大切に思う価値を発信するとある。このメリットが自分だけではなく、社会にシェアされるというインパクトが大切なのだと。

☆これがインパクト理論である。しかし、この段階ではまだ21世紀型教育2.0ではない。そこでエンパワーメント評価。エンパワーメントであるから、支援者の権限を利用者にも委譲してしまう。つまり教師が自らの権限を生徒に委譲。なんて非準拠な!と20世紀型教育価値観では慌てふためくだろう。恫喝なんてこともあるだろう。

☆しかし、委譲といってもシェアである。プログラムも評価の項目も複数の支援者と利用者がいっしょになって決めるのである。自己選択とコラボのジレンマを克服して行っていくのであるから、イノベーションが生まれる。評価はそのプロセスを振り返り、さらに改善し、同時にモチベーションを豊かにするのである。そのためには、評価項目を更新することも恐れない。

☆しかも、このチームはソーシャルメディアでつながるから、社会的インパクトは、グローバールインパクトになる。イノベーション、知の革命。軍事力や経済力に代わり、自分の知恵に社会を豊かにする力がエンパワーされる。この展開をサポートするシステムがエンパワーメント評価である。

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