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文科省 国際バカロレア研究を学校に委託

今月7日(金)、文科省第2講堂で、全国の学校に呼びかけて、『平成24年度「国際バカロレアの趣旨を踏まえた教育の推進に関する調査研究」の公募について』の説明が開催された。目的は、次の通り。

 国際バカロレアのカリキュラムは、思考力・判断力・表現力等の育成をはじめ学習指導要領が目指す「生きる力」の育成や、日本再生戦略(平成24年7月31日閣議決定)が掲げる課題発見・解決能力や論理的思考力、コミュニケーション能力等重要能力・スキルの確実な習得に資するものである。
 このため、国際バカロレアの趣旨を踏まえたカリキュラムや指導方法、評価方法等に関する調査研究を行うことにより、我が国の教育の改善に活かす。
 また、グローバル人材育成戦略(平成24年6月4日グローバル人材育成推進会議)や日本再生に向けた改革工程表(平成24年7月31日閣議決定)において、国際バカロレア資格取得可能校等の拡大といった目標が掲げられていることを踏まえ、本調査研究の成果を活用することにより、我が国における国際バカロレアの認知度の向上や裾野の拡大を図り、グローバル人材の育成や将来の国際バカロレア認定校の増加につなげることも期待される。

☆つまり、現行学習指導要領では、国際バカロレア(IB)の水準に及ばないことを素直に認め、1500万円の予算を5校に振り分け、研究をしてもらい、モデルやプロトタイプを作ってもらおうというもの。もちろん、それを学習指導要領の改善に活用するということである。

☆そして、何より大事なのは、グローバル人材育成のために、実践的な教育プログラムが必要だと政財界のおしりに火がついているという現実。

☆東大をはじめとする国立大学で、秋入学の話題やグローバル人材育成コース新設の話題が喧しいが、これらと共に、今回の委託研究の話も、グローバル人材育成喫緊の課題の一環である。

☆しかし、IBだけが思考力育成プログラムではないし、海外大学進学もIBを受講していなければならないという話でもない。このことは、留学等に詳しい文部官僚はよくわかっている。電話で質問すると明快に説明してくれる。そこはさすがである。

☆ともあれ、国際社会における教育アクセスは、もっと多様である。なぜ今IB研究に財政出動するのかはわからない。軍事力→経済力→教育力という世界の覇権競争パワーのシフトが起こっているこの時代に、どこか悠長に構えているとしかいいようがない。あるいは、すでに水面下でなんらかの利権が動いているのだろうか。

☆結局、国民のグローバルプログラムを選択する権利を無化する段取りに過ぎないが、予算ができた以上、それを使うために申請するのは大いによいことではないか。矛盾を感じつつ、活用できるものは活用して進む以外にどうしようもない。ただし、他者に危害を加えるようなことになっていないかどうかは、チェックしつつではあるが。

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