変わる教育[09] 教育の地 マレーシア
☆AERA 2012年10月8日号によると、マレーシアは教育の地として人気がでているという。
子どもの教育を目的に、マレーシアに移住する日本人家族が増えている。長期滞在ビザ取得のサポートを手がけるJMマイセカンドホームコンサルタンシーの澤田剛さんによると、以前は最長10年間の滞在が可能なMM2Hビザを申請する人のほとんどがシニアだったが、いま増えているのはファミリー。子どもが学生ビザを取り片親が共に暮らすという、韓国人に特徴的な移住スタイルを選ぶ家族も現れはじめた。
☆妻子はクアラルンプールに暮らし、夫はファイナンシャルプランナーとして日本とマレーシアを行き来する生活を選択した家族のケースが紹介されている。
☆友人やアメリカの著名投資家ジム・ロジャーズ氏が一家でシンガポールに移住したことに影響を受けたということらしい。まさにグローバリゼーションの時代の話である。
☆子どもは日本の学校を離れるのは、最初嫌がったという。しかし、英国式のインターナショナルスクールを見学したところ、「自由な雰囲気で、心配していた英語には補習クラスもある。気候もよく、すっかり気に入ってしまったんです」ということのようだ。
☆その学校のクラスは、中国、韓国、トルコ、インドネシアなど、さまざまな国籍を持つ子どもたちが集まっている。多様性こそグローバリゼーションであることを肌で感じているところが羨ましい。だから「自由な雰囲気」があるわけで、多様性のない日本では、「自由な雰囲気」が生成されないのは、しかたがないことなのかもしれない。
☆MITメディアラボの所長伊藤穣一さんではないが、違和感をもっても、多様性がなければがまんするしかないのであり、それが嫌だったら、多様性を受け入れるシステムをつくるか、多様性のシステムのあるところに飛び込むしかないのである。
☆マレーシアは多様性の国であり、クアラルンプールの都市生活は安心安全で自然環境も快適ということである。アエラの記事には書いていなかったが、生活水準もよくてコストが安いのも特徴だろう。
☆安いと言っても、移住するとなるとそれなりの資金計画は必要だろうが、英米に比べてかなり安いのではないだろうか。日本の私立中高よりは高いだろうが、理系の大学や美大に通学するのと比べればあまり差がないだろう。
☆ということは、学生生活それ自身は英米の2分の1ではないだろうか。英国式のインターナショナルスクールなのか米国式教育のインターナショナルスクールなのかにもよるだろうが。
☆なぜ海外のインターナショナルスクールなのか?それは海外の大学とDual Enrollment(日本の制度とは比較できないほど柔軟でハイレベルな高大連携システム)のシステムを、日本の高校は99%持っていないからである。
☆最近IB(国際バカロレア)の話が話題になっているが、これはDual Enrollmentの一つの選択肢である。海外にはいろいろな制度があるのである。ところが、日本の教育はこの選択肢は、システムとしては完備していない。だから、個人の情報力・資金力で海外のインターナショナルスクールや現地校に進むわけである。
☆そして、英米以外にコストが安くて、教育の質がIBなどで担保されているところに流れるのは当然である。
☆が、しかしである。もし日本の学校に同じようなシステムを備えたとしたらどうだろう。家族の仕事の関係でもなければ、移住せずに日本でそのDual Enrollmentのシステムを活用することになるのは必然である。もちろん、日本のインターナショナルスクールではなく、一条校での話である。
☆現状では、このシステムの情報という段階ではあるが、やがて一条校に埋め込もうと模索しているのが21会(21世紀型教育を考える会)校のメンバーである。これによって、この21会校には、留学生、帰国生が集まり、一般生も含めて海外大学も視野に入れたキャリアデザインがどんどん可能になる。マレーシアに行く前に、21会校も探求されるとよいと思う。
| 固定リンク
「教育イノベーション」カテゴリの記事
- 【八千代松陰】千葉から世界を変える(+1) 生徒の内なるトルネード(2018.06.27)
- 【八千代松陰】千葉から世界を変える(了) 教師力と先進的なティール組織(2018.06.26)
- 【八千代松陰】千葉から世界を変える(3) 知のトルネード(2018.06.26)
- 【八千代松陰】千葉から世界を変える(2) 知性と感性の空間(2018.06.26)
- 【八千代松陰】千葉から世界を変える(1)教育のキーワード(2018.06.25)
最近のコメント