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変わる教育[15] 桜丘 教育の質の探求

☆王子から日本版トラム都電荒川線にゆられ2駅目につくと、そこはもう桜丘中学校・高等学校。滝野川一丁目の駅は同校専用ホームと思ってしまうほど隣接しているだけではなく、無人ホーム。ヨーロッパの路面電車の情緒と重なるのだ。

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☆桜丘との出会いは、1998年にさかのぼる。当時はIT教育と国際理解教育の大きなムーブメントが起こっていた。そして、桜丘はITと英語教育においてモデル校として先端を走っていた。

☆その後、共学化も果たし、国公立・早慶上理・GMARCHの合格率も40%を超えた。そして教育イノベーションの今日、副校長の品田先生は、「スキルの向上はかなりのところまできたが、最終的にはICTのスキルを追うのではなく、本校の教育の質がそれらスキルをさらに革新させるようなイニシャチブをとらねばならないと思っています」と語る。

☆そして、戦略企画室室長の高橋先生はこう続ける。「つまりイノベーションありきではなく、教育の質を向上し、その質をサポートするためのイノベーションが創発されるようなインパクトを生み出さないとと思っています。そしてそれがウチの学校の先生方の場合、可能なのだと確信しています」と。

☆いかにして可能なのだろうか?それは濃厚かつ未来志向型の対話ができるからだと、先生方の気概に誇りを感じている様子だった。

☆この夏、桜丘では、戦略企画室が中心となって、教職員研修を実施した。その手法は質的リサーチの方法論を導入。桜丘の魅力である教育の質の項目を企画室が与えて話し合うのではなく、先生方自らが議論して掘り起こしていく。そして、その項目について語り合い、コーディングして順序づけしていく。

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☆そのためには、生徒もプロジェクトベースドラーンニングで活用する、マインドマップや多次元KJ法を道具として行っていく。もちろん、そのプロセスは、すべて対話や議論が行われている。こうして最終的に桜丘のビジョンや学校像ができるわけだが、大事なことはこの過程の中でシェアされるということなのである。

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☆この質的リサーチ方法を、生徒も教師もシェアしているというところが、他校にない強みであり、創発エネルギーなのである。そして、体験学習で生徒は自分たちのアイデアや企画を編集してプレゼンする。最終的にアイデアを見える化し形式知化する。それは教師も同じ。ただし、生徒と違うのは、シミュレーションではなく、実行というステージにまで持っていくというところである。「ここは責任があるしヤリガイがあるしワクワクするところです」と品田先生と高橋先生の意気はぴったり。

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☆多くの学校が偏差値や大学実績という量的リサーチの段階で足踏みをしている中で、桜丘はそこを越境している。「シフトするエネルギーこそ教育を変えるのである」と手ごたえを感じている両先生のお話を聞くことができた。

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