変わる教育[25] 横浜女学院 未来を拓く8つの精神
☆この「愛と誠」は、内面に8つの精神として発展する。愛とは関係であり、誠とは真理であるが、1年・2年・6年という3回のスパンで、山梨・長野両県にまたがる八ヶ岳連峰の大自然の中の山荘で学んでいく。プロテスタント流儀の研修で、「八学会」と呼ばれ、難しそうであるが、実はそれは今ではビジネス研修やプロジェクトマネジメントという形で世俗化されていて、よく耳にし多くの人が知らずに体験しているプログラムやワークショップである。
☆もちろん、「八学会」のプログラムは世俗化されていない。生徒たちは清く聖なる時空を過ごす。そしてそこで、次の8つの精神を学ぶのである。
1.キリスト教について学ぶ
2.学校生活の意義を学ぶ
3.共に生きることを学ぶ
4.人生についてで学ぶ
5.祈ることについて知る
6.自分について知る
7.健康の大切さを知る
8.自然の美しさを知る
☆1年・2年・6年という3回のスパンで学ぶが、世俗化されたプログラムのようにリニアーで合理化され単純化されているのではなく、3回の螺旋型・弁証法型の対話が中心だから、外発的なモチベーションによって、ビジネス関係を結ぶようなものではない。内発的モチベーションの内なる光をシェアする関係を広く深く生成していく。人間存在と社会と自然と超越的な精神の通い合う真理を内面の軸としてしっかり打ち立てるのである。
☆内なる光は思春期の時期には迷い悩み消えそうになるだろう。真理は消費経済メディア社会の中で相対化されて幻想のかなたに見失いそうになるだろう。それゆえ、3度対話するのである。
☆ペテロでさえ、鶏が2度なく前に3度知らないと言ったのである。3度はそのつど迷いや悩みから立ち上がらないとならない。
☆そして、この建学の精神の8つの精神への完成態が内面の基盤にあればこそ、世界中を経巡る横浜女学院の多様な海外研修の意義が分厚くなるのである。グローバル人材とは、結局多様な人々と「愛と誠」の精神で関係をつくっていくことなのだから。
☆入試問題にもその精神は顕れている。国語の入試問題では、必ず100字の論述が出題されるが、たんなる文章の分析ではなく、文章を通して作者という実存が語るテーマを学ぶ骨太の問いかけがなされるのである。
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