変わる教育[40] 桜丘 「地図」から「コンパス」へ
☆「変わる教育[15] 桜丘 教育の質の探求」で、桜丘が、巷の表層的な教育論をクリティークして、教育の深層/真相に突き抜けようとしていることについてご紹介した。先日21会(21世紀型教育を創る会) で、副校長の品田先生がその試みのビジョンを、「地図」から「コンパス」へシフトするという表現で語られた。
桜ヶ丘は共学になって10年。学校の歴史的には、女性の自立を促す裁縫、そろばん、その後になって英語にかなり力を入れるようにした。共学で英語コースはなくなったが、あらためてここ数年見直すことを考えている。
また校訓である「勤労」と「創造」が面白い。創造については、世の中で重要であると語られてはいるが、中高の期間で創造力を養う積極的なプログラムのモデルはまだまだ少ない。私たちはそこに挑戦しようとしている。
☆教育基本法が改正され、それに伴い改正された学校教育法によって、創造力は高校から養うと規定されたのは、ついこの間であるから、今までは、知識の定着で中高のカリキュラムは止まっていたのである。
☆もっとも、本当は、規定がなくても、憲法前文や教育基本法前文で創造力は人間の存在として当然必要な資質であるから、生まれるや教育の重要な柱になっているはずだったのが、大学入試という知識定着とその限られた範囲での活用という慣習制度が、あたかも創造力は大学に入ってから養えばよいという因習が蔓延してしまった。
☆だから、創造力を養おうと明文化されたのは、半分よいことであるが、高校からと規定するのは問題でもある。
☆しかし、桜丘は、そんな世間の風潮に右顧左眄せず、生徒の未来を見据えて、独自のプログラムを構築することにしたのである。
これまでの、地図を与え行き先や道をあらかじめ示すような教え方ではなくて、どこへ行けばいいのかを探すコンパスを持てるような教育をしたいと考え、議論している。若い教員の研修。自分の取り組み、授業、行事が、生徒をのばそうとする力のどこに関わっているのかを正しく認識できているか。教員が自分の授業の意図を持ち寄り共有している。
☆生徒のみならず、教師もコンパスを持とうとしている。21世紀型教育を実践するとは、教師と生徒がまず教養と判断力と感動を分かち合えるようになることであり、その分かち合いを世界に広めるインパクトを生み出すということである。この秋、学びの組織としての桜丘の変貌ぶりを共有したい。
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