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2013中学受験【16】 東京都市大等々力の野望

☆首都圏模試の志望校登録数を見ていると、東京都市大等々力の人気は今年も続いている。4年前にいわば学園革命を決起したわけだが、その変貌ぶりはやはり凄まじい。学校とはこんなに変わるのだと驚かないわけにはいかない。

☆しかし、驚いているだけで終わるわけにはいかない。その成功の理由を考えることによって、中学受験全体としては停滞しているわけだから、その突破口を見いだすヒントを探したい。

☆まず、もともと女子校だったが、五島慶太翁のミームをたどれば、それは男子の好む文化である。それを前面に出すために共学にした。するとやはり男子に人気がでた。

☆最近の男子のトレンドは、中学まではかなり過保護であるということである。そしてその過保護の特徴を作っているのは、多くは母親であり、母親はスポーツを観戦するのは好きだが、自分の息子を体育会系の汗臭さの環境に入れるのは、少し引いてしまう。

☆しかも、経済情勢が低迷している中、未来を考えたときに、グローバルであろうがなかろうが、とにかく国内である一定以上のポジショニングを確保したいという志向性がある。

☆しかしながら、そうはいってもブランドは大切である。国内難関大学の学力を確保したうえで、グローバルリーダーの夢は夢で持っておきたいと。

☆これらの母親のニーズに丁寧に一つひとつマッチングさせたのが東京都市大等々力である。グローバル人材育成という点で似ている広尾学園も来春も人気の勢いはとまらないが、広尾学園はどちらかというとすでにグローバルに活躍しているあるいは希望している父親の志向性と同じような環境で活躍している母親の志向性をターゲットにしている。

☆だから、グローバルな進路に突進しつつ、その結果として国内難関大学の結果も出るというカリキュラムやシラバスになっている。

☆ところが、等々力は、まずは難関大学。高1、高2でハーバード、オックスフォードの語学研修をし、その難関大学を目指している中で、優れた生徒がその研修の刺激を受けて、希望すれば海外大学の道も用意はしておくという考え方だろう。そのときは、√Hのような機関を活用すればよいのだからと。

☆過保護な母親の学習観は、階段を一歩一歩登っていく考え方である。公文方式も同じであるが、大きな違いは速度である。等々力は一歩一歩着実に丁寧に登っていく。公文はスピードを上げて登っていく。その違いはどこにでるか、前者は全員が登っていける。そして全員が一定以上の結果を出せる。

☆しかし、公文方式は、速度に耐えられた生徒は、相当高い水準にまで到達する。しかし、一定水準にも達しない場合がある。だから、小学校まではこの方式は人気であるが、それ以上は限定的になる。

☆過保護である母親は、当然前者の着実階段上昇スタイルを願う。そのほうが、自分も息子と共に対話ができるしアドバイスができるからでもある。

☆広尾学園の場合は、公文式の加速型階段上昇スタイルとハイパーテキスト型のスタイル。ハイパーテキスト型とは、いきなり難しい問題に取り組んだり、最初からハードルを上げて挑戦させるスタイル。はじめから、ハーバードやスタンフォードからスタートする。そのプロセスの中で、国内の難関大学は収まっていくというシステム。リスクテーキング型なのである。

☆だから、等々力は、受験市場の80%の保護者の志向性(偏差値と国内難関大学実績)をターゲットにし、広尾学園は、受験市場の20%の保護者の志向性(脱偏差値、グローバリゼーション対応型教育)にマッチングをかけている。

☆いずれの学校も、マーケティングの対象が明快がゆえに、低迷する中学受験市場の中で、生徒獲得戦略において成功を収めているのである。

参照記事)都市大等々力人気の秘密 in 学明舎主催中学入試セミナー

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