変わる教育[45] 聖学院 好奇心でいっぱいの男子校
☆11月2日・3日、聖学院は106回目の記念祭(文化祭)を行った。学校を丸ごと知るにはやはり文化祭だと改めて確信。まずはゲート。デミアンとシンクレールのいる男子校にようこそ。
「鳥は卵の中から抜け出ようと戦う。卵は世界だ。生まれようと欲するものは、1つの世界を破壊しなければならない。鳥は神に向かって飛ぶ。神の名はアプラクサスという」(ヘルマン・ヘッセ「デミアン」から)
☆ゲートを抜けると、そこはおもてなしの受付だった。
☆そこで生徒から手渡されたのは「パンフレット」と「学校だより」。ここに大きな仕掛けがあった。
☆ドキッとするのではないか。この表紙の絵画のクオリティは並ではない。聖学院の生徒の心が前面に湧き出ているではないか。
☆そして「学校だより」。記念祭参加後の帰り道でページをくると、そういうことだったのかと合点がいくことばかりだ。
☆これは、男子校固有のゲート。こちらから向こうには行けない。記念祭のときだけ開かれる。隣の女子聖学院の生徒が向こうからやってくるのである。ここに神話を感じる生徒もいるだろう。
☆今もタイで、東アジアの多民族の子どもたちの生きる力を支える戸邉校長。世界に拓かれた校長室。
☆男子校の文芸同好会。芥川龍之介も夏目漱石もあさのあつこも同居しているのがおもしろかった。
☆ルネサンスの松明を世に引き継ぐ文芸部の心意気と顧問の先生の著作の風が心地よい空間だった。
☆夏に登頂した蝶ヶ岳をレゴで再現。黄色は登山ルートを示している。
☆フランク・ロイト・ライトは、建築のプロットタイプは自然の中で最小限の空間で生きる人間存在であると考えていた。探検が未来を構築するプロットタイプになっている。
☆高2のある生徒の「こころ」のキャッチコピー。「動物と人間を分ける境界線」。自然と農作の狭間で、その難しさを感じたのだろうか。聖学院生の汗と感性が実った米。
☆命の尊さと解明の倫理の狭間で。幼き少女は、何を感じたのだろう。解剖学は少女の真理への好奇心を拓く。
☆リサーチペーパーを見るだけではなく、担任の先生と科学コミュニケーション。対話型授業は聖学院の大きな特徴だ。
☆学校だより掲載の物理の科学コミュニケーション。日本の大学では、2003年くらいからやっと本格的に講義されるようになった科学コミュニケーション。聖学院では当たり前のことなのだけれど。
☆討論やコラボレーションは、好奇心を生み出す源泉。だから「With You」が記念祭のテーマ。
(つづく)
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