変わる教育[48] イノベーティブ・ティーチャー学会の活動が変える
☆「イノベーティブ・ティーチャー学会」という私立公立問わず中高の先生方が活動している会がある。労働でもなく、仕事でもなく、活動である。心意気である。気概である。「創造的復興教育協会」の小村氏が主宰しているから、産学官も巻き込んでいる。
☆先生チーム以外はもちろん、様々な思惑もあるだろうが、それゆえ、先生チームの気概が、産学官のリーダーの胸を突き動かすのは素敵である。大いに期待したい。
☆この活動は、facebookで鳥瞰できるが、グループ化されているから小村氏の紹介が必要。興味のある方は、小村氏にアプローチしてみては。。。
☆それはそれとして、おもしろいのは、fb内熟議。いわゆる20世紀型一方通行型の講義形式の授業の精度をあげようとしている議論ではない。
☆かといって、PBLやディスカッション型授業がなんでもよいという議論でもない。本質的な議論をしているし、教育制度の話ではなく、生徒と教師の最近接の領域における認知(思考)活動の活性化の方法論に集中しているのである。
☆教育制度論は、ともすればどこかの文科大臣のように、一般論を具体論に唐突につなぎ、最近接の領域において成長し始めたり何かに目覚めようとしているチャンスをあっさり奪ってしまいがち。
☆変化とは、こういう針の穴ほどの、いやナノレベルの変化から起こるのだから、教育制度暴力装置から3・11以降逃れられ、結界をはれる東北の地で活動することはとても意義のあることだろう。
☆ともあれ、次のような重要な問題を議論しているのはすばらしい。
ディスカッションをして、生徒が気づく、感動する。そのときそこに教師が気づいて、コミュニケーションをする。それがコーディネーターとしての教師のロールプレイではないか。
☆この命題は果たして真理だろうか?というトピックが話題になっている。また、
このコーディネートに、ICTはなんらかの主体的な影響を与えるや否や?ICTは道具であるから、コーディネートは教師の授業のアイデアや腕そのものであるのではないか?
☆という問答も行われているようである。これは、20世紀型教育道徳では真理であるが、サンデル教授的正義論的には、大いに議論があると思う。
☆というのもコーディネート役を教師が行うべきかどうか?まだ議論され尽くしていないだろう。これは発展途上国の支援の仕方と同構造の議論である。つまり被災地支援の仕方と同じ構造を含んでいる。
☆教育学的には、最近接領域におけるコミュニケーションの方法は、大事であると道徳的言説はあるが、コミュニケーションの方法については、欧米で山のように議論されているのに、日本の教育にける議論では、大事である以上でも以下でもない。
☆その結果おしゃべりは、コミュニケーションから、吟味されてもいないのに道徳的に排除されている。どこかの文科大臣と同じ言説構造である。
☆そして言語学、あるいは言語哲学的に、言語やICTは道具説というのは、一つの考え方ではあるが、サンデル教授の政治経済の多様な考え方同様に、これまた多様にある。道具という考え方だけで進めると、視野狭窄になりかねないという議論をどんどんするのもよい。あるいは、ここで言う道具とはどういう意味なのかという問い返しも素敵だ。
☆そして、このような問題を熟議するメンバーは、教師を中心とするだけでよいのかどうか。これは評価学的な見地からすると、異論がでてくる側面でもある。
☆東京大学の教授も多数巻き込んでいるようだから、そこは多角的に議論するヒントをもらうのもよいだろう。
☆もしこのような熟議が増幅したなら、間違いないなく閉じ込められ鬱屈した生徒たちの教育環境は動き、変わるだろう。本当の意味で開かれた教育が出来するに違いない。
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