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変わる教育[55] 21世紀型 「学び」「講義」「成長物語」②

☆前回は21世紀型「学びと講義」についてそのパラダイムを確定した。今回はそのクリエイティブクラスエリアである第Ⅰ象限パライムから生まれる思春期成長物語とガラパゴスエリア第Ⅲ象限から生まれる思春期成長物語を比較してみよう。

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☆まずは、21世紀型成長物語のモデルと20世紀型成長物語のモデルを見比べてほしい。物語の構造分析は難しいのに、こんなに簡単に描いてよいのかという問題もあるが、基本は「日常―非日常」「出会い―別れ」「旅立ち―帰郷」の動きが創り出す。そして、その媒介になるシーンがゲートの「before場面―after場面」である。

☆21世紀型成長物語は、この要素がDNAのように螺旋的つながりを無限個つくっていく。しかも、そのたびに、日常世界が広くなり、自らも内面的世界が拓かれていくのである。だから、永遠の定住はありあえない。その象徴的職業がノマド的と言われているゆえんである。

☆ところが、20世紀型成長物語は、東京大学頂点の学歴ピラミッドへの旅立ちにすぎず、日本全体が学校化社会になりきっているから、そこから帰還したら、もうあとは大きな旅立ちはない。一生涯日常をがまんして生きることになる。だから、それが嫌な場合は、日常世界に帰還しない。帰還しても現代型うつ病やひきこもりの擬似非日常世界に住まってしまうことになる。日本が自殺王国であるのは、こうしてみると理由がないわけではないということが了解できる。

☆いじめ、パワハラなど組織の中での抑圧は、まさにガラパゴスエリアである第Ⅲ象限の教育がもたらすのである。一度きりの優勝劣敗を決定づける学歴競争のゲートを潜り抜けるだけのチャンスしかなく、その後は終わりなき日常を生き続けるしかないのである。

☆だから、企業研修ではモチベーションを人工心肺装置のような研修で生み出さなければならない。もしもゲートが多様で旅立ちのチャンスがたくさんあれば、それだけで好奇心は沸き、内発的モチベーションで満ちるだろう。それが21世紀型成長物語の発想である。

☆この第1象限パラダイムを承認すべきなのは、このガラパゴスエリアから抜け出した釜石の小中学生の生還物語がリアルに壮絶に物語っているのである。

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