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変わる教育[58] 佼成学園女子 温かく緻密な教育

☆先週土曜日、佼成学園女子で学校説明会が開催された。前回の21会(21世紀型教育を創る会)で江川教頭にお会いしたときに、中学での取り組みとして、10数年前から英語に特化し、イマージョン教育などを導入しながら、いろいろな課題を克服してきた教育づくりの話を聞いた。そして、高1から高2にかけてNZにいく留学クラスを作り、それが英検まつりや行事に学びの転移がおこり、教育力が強化さたという話は実にワクワクするお話だった。

☆英語教育に関しては、今後さらなるプランがあり、ICT化によって、ツールとしての英語活用とパソコンやiPadを結び付けていきたいという戦略についても語られた。詳細はいずれ説明会でというお話だったが、おそらくそれは来年にはいってからだろう。それでも、そのヒントが語られるかもしれないと思い、説明会に顔をだしてみた。

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☆そんなことを思いながら玄関から校舎にはいると、広い国際的視野と深い生徒たちの教養が空間に広がっていた。

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☆そして会場で資料を広げてみると、吹奏楽部の音楽祭のチラシが目に飛び込んできた。

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☆私立学校は、経営的戦略と教育の見識は両輪であることを思い起こした。在校生たちのとても温かい心のおもてなしにも、緊迫してきた受験生の心を和ませたことだろう。

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☆がしかし、説明会が始まるや、受験生は入試対策講座としてチャレンジ体験をしに別の教室に移動した。やはりいよいよ受験のクライマックスにさしかかっている緊張が会場に広がった。

☆ところがである。山内校長の話は、受験という悩みや不安を吹き飛ばす内容だった。この時期受験生の親は、子どもの成績も大いに気になるが、それ以上にブランドという大消費志向の学校選択よりも、自分の子が大きく成長できる環境の学校はどこか、本質的なところまで考えるようになっている。

☆この本質的な不安について、耳を傾けてくれ払しょくしてくれる学校はどこか?それもまた意識の底に横たわっている目立たないが結局は最も重要な問題なのである。

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☆山内校長は、いきなりこの本音テーマに斬りこんだ。受験生の保護者にとって、それはベートーベンの第五シンフォニーのようだったと思う。扉は開かれた。佼成学園女子では、生徒1人ひとり、学級、学校という三つのアイデンティティの親和性をつくっているから、今世の中を騒がせているいじめをはじめとする1人ひとりの成長を妨げる壁をいっしょに打ち破っていけるのだという話だったからである。

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☆しかもそれは、教師集団が客観的なデータを活用しながら常日頃話し合っているからできることなのだという。そのことは、大学の先生方とコラボしてデータをつくるオープンマインドと生徒の言動や小さな反応を見過ごさない教師のきめ細やかな配慮や気遣いが学内にあることを示唆しているという。

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☆たしかに深い愛情と緻密な教育のシステムの存在に納得がいく。しかしさらに中1の担任嘉戸先生が、実際に中1の生徒がどのようい楽しみながらも悩みながら、タフな生徒に育っていくかをダイナミックな身振り手振りも交え、情熱的に語られた。

☆中1が見るもの聞くもの、みなはじめてで、先輩たちと繰り広げる文化祭にしても体育祭にしても、非日常の空間に入り込むのと同じであると。その成長の旅は、躊躇することもあるし、新たな出会いに喜ぶ場合も、戸惑う場合もあるが、それを友情をつくりながら乗り越えて、再びクラスに帰還した時に、後ろを振り返れば、自分がこんなに成長していることに気づくのであると。

※この成長物語は、実は得難いプロセスで、21世紀型の思春期学に通じるものである。参照→≪変わる教育[55] 21世紀型 「学び」「講義」「成長物語」②≫ 佼成学園女子の教育をきちんと理解するには21世紀型教育の補助線が必要である。

☆なるほど、その教育の勢いがメディアに伝わって、サンデー毎日、プレジデントファミリー、AERAなどで次々と取り上げられるのであると改めて実感した。

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☆そして、最後に江川教頭から、英検合格の実績や大学合格実績がいかに破格か、一目瞭然の他校比較グラフによって証明された。そして、その成果がでる理由は、校長と担任が話した成長物語を創出する学びの転移と深い愛情であると。転移とは言いかえれば結びつきであり絆であり、縁なのである。知と愛は、欧米流儀の対立概念ではなく、茶道や書道などの道に通じるともに協力し合う概念である。そう了解して、さわやかな気持ちになれた説明会であった。

P.S.

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佼成学園女子はPISA型入試で、AERAなどで大変有名な学校であるが、一般の入試問題も考える問題が満載。国語でも論述の問題が出題されるし、算数などでも式や計算の痕跡を採点時に考慮する解答欄になっている。しかし、たんに難しいというのではなく、次の社会の問題のように、小問を考えて積み上げていくと、解決できるような思考過程を大切にしている問題である。

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