変わる教育[65] 聖パウロ学園にしかない学びの生態系サイクル
☆なぜ世界に一つしかないかというと、
・乗馬プログラムがあるということ
・広大なキャンパスに里山の自然があること
・陶芸・華道・茶道プログラムがあること(もちろん男子生徒も女子生徒も参加)
・アッシジ、バチカン、法王謁見、ヴェネチアなどイタリア修学旅行があること
・自律学習サイクルが確立していること
・グローバルなキャリアデザインの一環としてリサーチ・ディスカッション・エッセイ編集・プレゼンテーションのサイクルが確立していること
・ICT教育がビジネスモデルのプロットタイプを作成できるプログラムになっていること
・世界の痛みを癒す時空がデザインされていること
☆数え挙げていくと切がない。大事なことは、これらがすべて生態系のように循環して自律分散協調系になっていることである。この学びの生態系サイクルというべきシステムが構築されていることが世界に一つしかない学園なのだ。
☆乗馬プログラムがあるというだけで、かなり特徴的であるが、それでもそれだけでは世界で一つではない。カリフォルニア州の有名私立校であるサッチャースクールにも乗馬のプログラムはある。しかし、サッチャースクールには、里山という人間と自然が共生するシステムを持っていない。
☆東京という地にこんな自然があるなんてと、訪問者もしばし癒される。実は馬と接するところにも自然と人間の交流サイクルが仕組まれている。陶芸・華道・茶道も自然と人間の精神の交流サイクル。ここに気づくのが「道」なのである。
☆しかも、この道は小さなスペースに無限の想いを延長するエネルギーを生み出す。そしてこのエネルギーの近代の原点は中世とルネサンスのシフト時期にある。
☆中世は、シュンペータ―ではないが、近代の萌芽であり、ルネサンスで花開く。徹底した自然との格闘とそのためのテクノロジーというイノベーション。その原点はまたキリスト教の道に通じる。そこで、アッシジで聖フランシスコに出遭い、ジオットに出遭い、バチカンでダ・ビンチやラファエロに会い、システム礼拝堂でミケランジェロに出遭う。システム礼拝堂を貸し切り状態にし、そこで記念撮影する学園がどこにあるだろう。そしてローマ法王に謁見する。
☆イタリアはローマ時代から都市の国である。70億人人口社会において、都市の再構築が国連から提案されている。再びイタリアの発想が顧みられるわけである。つまりまたルネサンスの時代の到来。
☆しかし、ダ・ビンチに象徴されるようにアートや発想はテクノロジーに裏付けられていなければ、社会建設などできない。放課後であっても、ICTルームは活気を帯びている。社会構築の土台は資金の流れである。その策定を学んでいた。ICTはリサーチ→議論→論文編集→プレゼンの学びのサイクルを促進しもする。
☆「道」は、癒しの空間を必要とする。ロード・オブ・ザリングではないが、平坦な道はない。その道行は困難連続である。思春期の生き方のプロットタイプや思い出が、生徒たちの未来の人生のエネルギーや種となる。学びの生態系のサイクルは、ブドウの木の内部を流れる樹液さながら。生徒たちのブドウは育ち続け、良質なワインを飲むことができるようになるだろう。そこまで、見通した聖パウロ学園の教育。そのシステムは世界に一つしかないのである。
☆山の中に忽然と現れる教育空間。しかし、スクールバスが完備していて、雨にも風にも雪にも負けず、いやむしろ快適に通学できる学び舎である。
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