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2013中学受験【31】 聖学院 新しい学び

☆聖学院の説明会では、思考力セミナーのあと、13の授業の中から1つ選択して体験する機会もあった。いずれもおもしろいものばかりだったが、その中で「色々なバナナを食べてみよう」というテーマの社会科を見学。

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☆バナナを実際に食べてみるのかと思い、最初だけ見て、ほかの授業も見学してみようと思っていたが、なんと日本の社会科教育に一石を投じる授業だったので、驚愕し、最後まで見学してしまった。

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☆というのも、たいていの学校の社会科の先生方の話を聞くと、大学入試という制約があって、どうしても知識の体系を教え、記憶の定着を図ることで終わり、1つの主題をめぐって、政治、地理、歴史、思想など全体の関係を思考するような授業は夢であると言われる。つまり、主題編成型の授業は夢なのだと大学入試制度と主題編成型授業への理想との狭間でジレンマが横たわっているのが、日本の社会科教育であると言われている。

☆しかし、今回の鹿島先生の授業は、さらりと主題編成型の授業を展開していたのである。日常のバナナの食べ比べをしながら、なぜ値段が違うのか対話したり、チョコレートパフェやバナナオムレツなどの様々な調理法を想起させていく。

☆比較・対照、因果関係のスキームの授業展開。それだけでもおもしろいのであるが、実はみんなが知っているバナナの違いよりももっと大きい違いがあるというカルチャーショックを生み出す流れが次のステージで待っていた。

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☆子どもたちは見たこともないような、乾物や焼き物になっているバナナを披露。そしてみんなでおそるおそる試食。この時点で、受験生の脳は相当活性化されているが、遠くの世界の文化を身近に体感するプログラム。

☆と感心していると、鹿島先生は、このようなプログラム自体は、社会科教育では、実はよくあるのですと。でも違いは何かというと、焼バナナとクレープのバナナを比較して、先進国は結局発展途上国の資源のイイトコどりをして収奪しているという流れに持っていかないところが重要ですと。

☆グローバリゼーションの時代は、もう少しそこは複雑な構造になっていて、丁寧に経済原理や市場の原理をまずは考えていくことが大事なのではないかと考えているのですと。

☆本当に収奪といえるのか、あるいは、それぞれの市場の原理が働いていて合法的にこのような現状になっているといえるのかなど、そこは客観的に調べなければならないということを生徒とともに学んでいきたいと。

☆ステレオタイプな格差社会の表現を鵜呑みにするのではなく、この現状を自分で調べるには、どういう学びを構成していくのか、考えるところから始めるということなのだろう。この調べるということは、たんに文献やネットサーチをすればそれでよいというわけではない。フィールドワークも重要であろう。

☆なるほど、聖学院の社会科の教師は世界を旅するし、生徒もタイ研修に出かける。糸魚川の農村体験というフィールドワークも行う。

☆今回の授業体験は、日本という国におけるバナナの知識は、まったく世界の問題を語るには足りな過ぎることを、授業展開の中で、どんどん子どもたちは感じていく。知識を覚える授業ではなく、必要な知識は何か学ぼうとする力、その知識を体得するための学ぶ力をトレーニングする授業だった。

☆子どもたちは自分の学んだ力がどんどん崩され新たな知識に出会っていくスリリングな体験をしたことだろう。聖学院の新しい学びは、思考力セミナーに象徴されるようなプロジェクト型の学習のみならず、教科の授業の中にもきっちり埋め込まれていたのである。

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