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2013中学受験【58】 かえつ有明イブ説明会 リベラルアーツの贈り物④

☆かくして、受験生は、かえつ有明のリベラルアーツな時空デザインを通って、サイエンス科の授業スペースに到着。

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☆サイエンス科のスーパーバイザーである山田先生と大木先生、チューター(放課後の学習支援などふだんからかえつ有明のチューターを行っている大学生。今回は早稲田の大学院生と上智大生)が紹介され、ワークシートも配られた。

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☆今回のトピックは「言葉と音のイメージをサイエンスする」であった。実際に今春出題された入試問題が使われた。

ステージ1:まずは、「音」という言葉から連想するイメージをマッピング(ブレスト)

ステージ2:音をあらわすことばとそうでない言葉の比較分類

ステージ3:詩が与えられ、その中で使われている言葉の比較・対照

ステージ4:詩の中で音をあらわすシーンでないのに響きに耳を澄ませている詩人は何を聴こうとしているのか、そしてその理由を考える

ステージ5:オノヨウコの詩集「グレープフルーツ・ジュース」から一行詩「地球が回る音を聴きなさい」をトリガーに、地球が回る音について200字以内で説明

☆いきなりステージ5から始まるのが、一般の入試問題であるが、この問題を考える前提を丁寧なステップを踏んで考えて行こうというスタイルの問題。実はこのステップがサイエンス科の授業スタイルであるし、TOKの対話のプロセスである。

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☆まず、問われる以前の自分のイメージを大切にする。それが、文脈から切り離された日常の言葉の比較・対照分析によって、さらに広がったり、誤謬に気づいたり。そこから文脈の中で言葉の方向性を読み取り、事実性と抽象性の差異を明確に認識し、それを使い分けられるような準備をする。

☆考える準備がやっと整ったところで、それを踏まえて考えてみようというプログラム。もしこれがなければ、生徒が書いた2種類の文章の差異を評価することができない。つまり、表面的な音について論理的に書いた文章と深い気づきについて論理的に書いた文章について、これは表面的だが、こちらは深みがあるなどという評価はできないという立場がかえつ有明流儀。

☆サイエンスとは、思考の条件をまず見出すことなのである。そしてその条件が一定のところまできたら、一斉に考え出す。そこでは、思考の幅を評価することは可能になる。

☆ところが、多くの学校の評価は、基準や条件は明らかではない。条件が一定していないのに書いた生徒の思考の軌跡をどのように評価するのだろう。科学的な評価とは言えない。

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☆この問題点に気づいていないのが日本の教育なのである。結果としての平均点や偏差値で無理やり評価してしまう。条件設定は阿吽の呼吸だろうと。プロクルステスのベッドということ。日本人は、欧米からみて、民主的感覚が未成熟であるように感じるのは、互いを評価する正当性、信頼性、妥当性をシェアするシステムを持っていないところにある。それは子どもの頃からずっと評価システムがプロクルステスのベッドなのだから、そういうわけなのだ。

☆2030年には、このような民主的感覚が未成熟なままだと、日本は本当の世界のリーダーにはなれない。この間公開されたNIC(米国の国家情報会議)の報告書をみると、もはや経済大国の時代ではなく、民主的なリーダーシップを発揮できる国家・国民が世界にとって重要であるのだという価値観を形成することがメガチェンジのトレンドになるだろうと。

☆来年110周年を迎えるかえつ有明のビジョンは、すでにそのメガトレンドに届いている。それが、かえつ有明に風が吹いている本当の理由ではあるまいか。

☆さて、受験生はどんな地球の回る音に耳をすましたのだろうか。生徒のシートは回収され、チューターがメッセージを書き込んで返却するが、今回は、解答例として受験生の中からいくつかモデル文章も紹介するという。その中にこんな文章があった。

ここでいう地球が回る音とは、三百億年以上世界の変化を見てきた「声」を聴きなさいということだと考えます。なぜなら、世界では地球温暖化が進み、南極の氷がとけていたり、各地で災害がおきているからです。実際に地球にきくことはできませんが、冷静になって物事を考えろという事だと思います。

☆このオノ・ヨウコの詩集を読んだジョン・レノンは、すぐに「イマジン」という曲をつくった。その意味がわかるような気がする。

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