変わる教育[67] 明治大学人気の理由
☆@DIME 11月30日(金)15時36分配信に「明治大学が人気No.1になった理由とは?」という記事が掲載。
受験生からの熱い視線を浴び、就活時期となれば有名企業にも一目置かれる。入口も出口も賑わう、明治大学の人気の秘密とは? 今、最も注目される都市型総合大学の実態に迫った。
☆人気の理由は、このパラグラフにすべてある。
明治大学では一般入試とは別に、全国8都市で同時開催する全学部統一入学試験を実施。選択科目により、複数学部を併願することも可能にした。また受験生への情報提供にも注力。全国の高校を教職員が巡り、生徒の興味を喚起するとともに、オープンキャンパスでは模擬授業までも披露している。
☆この入試改革の発想は、グローカルではなく、グローバルの普遍化そして利便性という「都市型総合大学」の発想。国際都市ではなく、グローバル都市として変貌している東京のキャラを明確にイメージしている人材集団がいるのだろう。
さらにここ最近、顕著なのが女子志願者数の増加である。その割合は、2000年の25%から2010年には31・7%へと、6ポイントを超える大幅アップ。背景には、特色ある新設学部の存在が大きいようだ。「2004年に誕生した情報コミュニケーション学部は、他大学の社会学部と併願されるケースが多いのですが、情報をどう分析して活用するかを重視する点で、より実学的な学問なのかもしれません」
☆この女性進出もグローバル都市の特徴。20世紀末までは、社会学や政治経済思想分野で、グローバルシティの研究がなされてきたが、21世紀になって、その学問的成果が生活圏内に染み込んできたのを見逃さなかった人材集団がいるのであろう。ロールズもローティも亡くなり、彼らの友人ハーバーマスも年老いた。パラダイムの転換は、アカデミズムの良質の思想が生活圏に活用される時であると。
そして、さらなる注目は国際日本学部。日本文化等を外国語で紹介できるような国際人の育成を目指すだけに、語学教育の充実ぶりが際立つが、中でもユニークなのは学部独自のインターンシップ留学プログラムだ。「フロリダ州立大学での集中授業の後、6か月間にわたりWalt DisneyWorldでキャストとなり、様々な業務に従事していただきます。これは実践的な語学学習にもなり、学生満足度の高いプログラムですね。募集定員は毎年32名。一学年約300人であることから、10人にひとりの割合で、このカリキュラムに参加できる計算になります」
☆海外で活躍するには荷が重すぎるが、日本文化を海外に発信するのは、コンビニエンスでグローバルシティの特色を反映している。まして、ディズニーワールドは、それ自体グローバルシティのプロットタイプ。アマゾンのネットショップなど、おそらくディズニーのネット戦略を模倣しているのではないだろうか。もともと、日本のアニメもディズニーの模倣から始まったらしい。
☆クールジャパンのルーツに、学部をつなげた、つまりグローバルシティの特色を見破っていた人材集団がいるのだろう。
☆すなわち、今後明治大学と同じようなコンテンツを揃えたとしても、ディズニーワールドの発想を活用できていないと、成功できない可能性もある。要するに国際都市からグローバルシティへの転換を見抜けなければということ。
☆さらにここに気づいた人材は、グローバルシティは、必ずしも首都機能に依存しないということだ。ロード・オブ・ザ・リングがハリウッドから発信されなかったのと同じように。
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