« 広尾学園 「iPad×ICT教育」 21世紀型教育カンファレンス④ | トップページ | 2013中学受験【52】 土浦日大中等教育学校 本当のグローバルリーダーの意味 »

広尾学園 「iPad×ICT教育」 21世紀型教育カンファレンス⑤

☆グッドスクールコミュニティのサイトを主宰している鈴木氏も、広尾のカンファレンスに参加していた。「21世紀型授業 -広尾学園のICT教育」という記事が掲載されている。私も見学したかったけれどできなかったインターナショナルクラスの数学の哲学的数学授業の様子も紹介されていて興味深い。

Math
http://www.khanacademy.org/math/algebra/algebra-functionsから

☆スカイプでその様子を鈴木氏に詳しく聞いてみた。かなり知的に興奮されていた。要するにICT教育の可能性は本当にWebに開かれていて、知識というものはオープンソースとしてすべて活用して授業をしているところに感動したということのようだ。

☆もはやデジタル教材など必要はなく、Webのリソースをどのようなコンビネーションであるいはコネクションでプログラムしていくかだけだ。教師は本質とWebのリソースを知っていれば、あとは生徒にトリガークエスチョンを投げかけるだけなのだと。教えているわけではなく、問答しているあるいは対話しているだけであると。しかし、それが内発的モチベーションを燃やすことになるというアメとムチの20世紀型授業とはまったく違う。

☆もはや反転授業など通り越して、大転換授業だったということだ。英語や社会、文学などでそういうことはあり得るだろうが、数学で何を対話することがあるのかと問うたところ、カーンアカデミーの数学のビデオを見ればわかるというので、関数のイントロダクションの講義をみた。

☆これ自体は20世紀型の講義ではないのかと先回りしてしまったが、それは間違いだった。ブラックボックスにインプットとしアウトプットするシンプルな図が描かれていて、それで関数のコンセプトを説明している。関数をYOUと置くところが、すごい。YOUという関数に何をインププットすると何がアウトプットされるのか。めちゃくちゃイメージしやすい。

☆鈴木氏いわく、広尾学園の数学もそうだったと。問題の解法は、Webで、それこそカーンアカデミーの解法の説明を検索すればそれでよいという授業(もちろん言語は英語)で、むしろ概念やコンセプトを問いかけることが中心だったと。

☆これはしかし、ICTを同時に活用しながら、教師の問いかけに対し考えていけるから促進できるのであって、ICTやWebはチューターの役割を果たしている。まるでナビの宣伝のようである。実際には支援者はいないが、支援者が傍にいるような感覚。なるほどヴィゴツキーの最近接発達領域のパーフェクトな見える化だ。

☆世界のリソースを支援者にして、教師のコンセプチャルなトリガークエスチョンから解放される思考の時間。それが広尾学園の数学の授業。閉じられた教科書情報の中で、解法の情報はすべて教師が独占し、それを少しずつ生徒に伝達していく20世紀型とは全く違う。教科書情報は自宅でやってきて、授業は問題を考える時間にするという反転授業はかりにICTを活用してもまったく20世紀型授業だということではないか。

☆大事なことは解法ではない。解法を導くコンセプトなのだ。関数をYOUに置き換えて関数を語れるかどうかなのである。

☆木村先生の講演で知のマインドマップが公開された。

Pc180736
☆そこから先の講演を聞くことができなかったのは残念であるが、これはまさに知のコンセプト図である。生徒とコンセプトを描くところから授業は始まるということなのである。コンセプトは教師が描き、その配置に従って生徒は学べばよいというのではない。いやこれとてもすごいことではある。なぜならコンセプトを考えて授業を行っている教師はそう多くはないだろう。なぜなら、コンセプトなど知らなくても解法を憶えればできてしまう入試問題が問いであるということになっているからである。

☆しかしこれではYOU関数はまったく解けない。つまりコミュニケーションという関数を解く応用力は身につかない。高偏差値だけで人間力がないエリートが育つわけだ。目の前で悩み苦しんでいる生徒に背を向けて、私の前に苦しんでいる生徒も悩んでいる生徒もいないから、関係ないというようなタコツボ型エリート。3・11の時にその姿が露わになったはずだ。グローバル人材として適切であるかどうか文科省は確認したほうがよいだろう。

☆もっともそんな機能が官僚にあったかどうか。官僚は機能=関数ではない。。。物象化してフリーズした知識を積み上げていくだけなのである。やはり自分の子どもは自分で守る以外になさそうだ。広尾学園のような21世紀型教育にチャレンジしている学校を探そうではないか。

|

« 広尾学園 「iPad×ICT教育」 21世紀型教育カンファレンス④ | トップページ | 2013中学受験【52】 土浦日大中等教育学校 本当のグローバルリーダーの意味 »

21世紀型教育」カテゴリの記事