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学校の評価 効果があった91%???

☆朝日新聞(2012年12月27日)によると、

(学校評価の)調査は3年ぶりで、2011年度中の実施状況を聞いた。国公立はほぼすべてで自己評価を実施していたが、私立は15.9%にあたる1570校園が実施していなかった。未実施率は、前回調査(08年度)の37.6%と比べれば減った。

同省が未実施の理由を聞いたところ、「小規模で手が回らない」「効果を感じない」「日々の職員会議などで振り返りや話し合いをしているため」といった声があったという

☆自己評価をやっているという側の正当性、信頼性、妥当性の調査がなされていないのに、自己申告でやっていないという側の理由だけ聞いている。完全に意味不明。

☆しかも、文科省の報告書をみていくと、自己評価は仕事がたいへんだから、役割分担したとかなんとか。。。何を言っているのか?業務をやったら、なんらかの評価が必要だろう。それはスコアをつけることでは必ずしもない。業務のプロセスの報告とか、ポートフォリオの提出とか、様々だろう。

☆そんなことに関係なく、スコアだけ出して、サイトでオープンしましたというような自己評価は、アリバイづくりと言っても過言ではない。それに、

自己評価により、「子どもの生活態度の改善に効果があった」とした学校は全体の91%、「学力向上に効果があった」も87%と大半を占めた。一方で、37%の学校が評価作業が招く「教職員の多忙感」を課題として挙げた。

☆どんな改善をして、どう効果があったというのか。そこを報告しなければ、何の意味があるのか。大いに効果があった、ある程度効果があった、あまり効果がなかった、・・・など何を調査しているのか。それである程度効果があった以上が91%だったから、それで何?

☆学校評価を義務付けているという学校教育法には、小中学校の教育の目標を次のように義務付けている。

第二十一条  義務教育として行われる普通教育は、教育基本法 (平成十八年法律第百二十号)第五条第二項(義務教育として行われる普通教育は、各個人の有する能力を伸ばしつつ社会において自立的に生きる基礎を培い、また、国家及び社会の形成者として必要とされる基本的な資質を養うことを目的として行われるものとする。 ) に規定する目的を実現するため、次に掲げる目標を達成するよう行われるものとする。


一  学校内外における社会的活動を促進し、自主、自律及び協同の精神、規範意識、公正な判断力並びに公共の精神に基づき主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養うこと。
二  学校内外における自然体験活動を促進し、生命及び自然を尊重する精神並びに環境の保全に寄与する態度を養うこと。
三  我が国と郷土の現状と歴史について、正しい理解に導き、伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛する態度を養うとともに、進んで外国の文化の理解を通じて、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと。
四  家族と家庭の役割、生活に必要な衣、食、住、情報、産業その他の事項について基礎的な理解と技能を養うこと。
五  読書に親しませ、生活に必要な国語を正しく理解し、使用する基礎的な能力を養うこと。
六  生活に必要な数量的な関係を正しく理解し、処理する基礎的な能力を養うこと。
七  生活にかかわる自然現象について、観察及び実験を通じて、科学的に理解し、処理する基礎的な能力を養うこと。
八  健康、安全で幸福な生活のために必要な習慣を養うとともに、運動を通じて体力を養い、心身の調和的発達を図ること。
九  生活を明るく豊かにする音楽、美術、文芸その他の芸術について基礎的な理解と技能を養うこと。
十  職業についての基礎的な知識と技能、勤労を重んずる態度及び個性に応じて将来の進路を選択する能力を養うこと。

☆これらが具体的にどのように効果があったというのだろうか。効果を上げるためにどのような改善を行ったというのか。これらは、そもそもどこまでできればよいのか。全く議論されていないではないか。税金をなんだと思っているのか。文科省自体の自己評価が出ていないではないか!

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