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ブラウン大学の学生の活動⑤ 今なぜ留学生か

☆2030年に向けて、世界は新しいロードマップを歩む確率は高い。新しいロードマップとは、経済大国が世界の覇権をとれないというコミュニタリアニズムの時代。熊平さんと小谷さんが語る自分にとってリーダーシップを発揮することができるという意味で超自分勝手なリーダーシップを互いに発揮しあう時代である。

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☆つまり、「自分のしたいことを他者にもしなさい」というロックウェルのメッセージ。もちろん、このメッセージはバイブルに由来。あのゴールデンルールである。

☆なんだ、八百万の神々の国日本には、関係ないではないか。いや、あるのだ。ロックウェルは宗教や民族の違いを超えるメッセージであると。この意味で、ブラウン大学の留学生2人は、グローバル人材はいないのだという。そんなレッテルをはられた人材ではなく、自分のやりたいことを他者とともに行っていく学習者としてリーダーシップを発揮するのみであると。

☆それにしても、このモザイク画。ちゃんとロックウェル自身も参加しているではないか。粋だねえ。おや、粋という概念は日本にもあると、九鬼周造が研究していたのではなかったか。いや、あれは、岡倉天心と自分の母親の関係を綴ったものだろう。つまり粋であることは日本では生きにくいから、あえて粋を『「いき」の構造』としたのだ。概念化ほど日本にとってパラドキシカルな粋な話はない。ましてあの時代に、研究していたのだから驚きである。

☆いや、九鬼周造もまた留学生だった。日本では、まだ留学生は、明治以来変わらいキャラである。ところが、3・11以降、やはり日本も2030年に向けてのロードマップを歩み始めている。もちろん、まだまだであるが、九鬼周造と同時期、同一人物と学んでいたハンナ・アーレントの予言は成就する可能性が開かれている。寺山修司の詩も再び蘇る可能性がある。

☆寺山修司は、あなたの職業はなんですかと問わると、「寺山修司です」と答える。教科書を捨てて外に出ようと歌う。このことを、ハンナ・アーレントは労働でもなく、仕事でもなく「活動」だというのである。だから、政党政治による議会制ではなく、評議員による会議を探究した。労働や仕事としての市場経済から、活動としての市場経済へ、そしていまだ未完の民主主義の改革への道が開かれている。

☆なぜ、いま留学生の話に傾聴しなければならないかは、その革新の聖火を持ってきているからである。

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