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2013中学受験【108】 サンデル教授と中学生 21世紀型教育のお手本

NHKでサンデル教授と中学生の対話を楽しめた。18日に放送された番組だが、見ることが出来なかったので、再放送を夜中に見た。

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(NHKサイトから)

☆最初からで見てはいないのだが、各国のいじめ対策のビデオなどを見て、中学生が自分なりに考えたことを、根拠も加えて語っていた。自分の経験と今目の前で知った情報を合わせて、新しい知識を創っていく過程を、サンデル教授が半分ファシリテート、半分コーチング手法で進めていた。

☆コーチングにならざるを得ないのは、NHKの番組という編集を考慮したからだろう。しかし、基本は意見の違う中学生の意見を整理しながら、違いを明らかにし、その違いをテコに、学校→社会→世界という次元にバージョンアップしていった。

☆まとめる必要はないのである。バージョンアップに持ち込めば、中学生に限らず、無知の知から出発する限り、ある地平が見えてくる。これがブレストだ。それを現実化するにはプロジェクトマネジメントをしていけばよい。

☆サンデル教授はブレストで十分だった。

☆そして、出演者の大人も参加した。冨士眞奈美 中川翔子 内藤大助 江川達也 藤原和博(元中学校校長) 中原徹(高校現役校長)が参加。

☆ショコタンと内藤選手は、自分のいじめられた強烈な経験をいかに中学生に一般化して共有できるか、すてきな対話をしていた。

☆しかし、藤原さんなどは、突然、中学生が知らない知識を持ち出して、説明していた。中学生のハートには響かない政策論。これで解決すると言っていたが、アメリカなどですでに行われていて、解決したかどうかは本当のところはわからない手法。そういう知識もない中学生に語っても、中学生は判断や評価のしようがない。対話停止のための対話・・・。

☆要するに、この藤原さんの対話は、対話ではない。その場に参加しているメンバーが共有している知識や経験(見聞も含めて)で対話し、そこでそれ以上の知識が必要になったとみなが判断した時に、調べるステージに進むのだが、回答を先取りしてしまっているからルール違反。

☆たしかに、中学生の語っている内容は、現実すぎるものもあるし、あまりに理想的にすぎるものもある。しかし、そのギャップをどう埋めるかも、参加者の対話から生まれてこなければ、ならない。

☆それなのに、藤原さんは、参加者の90%は知らない知識を披露して、それを根拠に語りはじめた。今回の対話は企画のプレゼンの段階ではなく、それまで話し合ってきた対話のリソースでどう解決策を組み合わせるか、それでも足りなければ、どうしたらよいのか問いかけるということが本位だったのにー。

☆サンデル教授が、もうハーバード大学の学生と議論ができるよと、中学生にエールを贈っていたが、それは心からそう思ったのだろう。知識がなくても、参加者の経験から新しいアイデアを生み出していける対話システムがあれば、あとは英語力や情報収集の問題なのだということなのだ。

☆その英語力と情報収集力が問題なのじゃないかと20世紀型教育者は言うだろう。しかし、サンデル教授の対話は弁証法という成長の無限の関門を通り抜けていく手法。英語力も情報収集もその関門の一つに過ぎない。大事なことは、無限の関門をクリアしていくネバーエンディングストーリーを楽しめるかということだ。そのエンジンが対話システム。知恵とも呼ぶかもしれない。

☆そしてその学びが21世紀型教育が求めているものなのだ。ピアインストラクションだとか、アクティブラーニングだとか、プロジェクトベースドラーニングだとか、根本はこの対話システムという知恵が重要。与えられた課題を、これらのプログラムのフレームに合わせて解いていくだけでは、サンデル教授の対話とは似て非なるものなのである。

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